'19宙組『オーシャンズ11』の記録

宙組アナスタシアで宝塚の門戸を叩き、その翌週には一人キャトルレーヴで息をするように桜木みなとさんと和希そらさんのお写真を購入したジャニヲタです。皆様ごきげんよう

 

宝塚について日々お勉強する中、ひょんなことからプライムビデオでも宝塚の作品が観れることを知り、早速'19宙組オーシャンズ11をレンタルしてみた。

何故オーシャンズ11を選んだのかと言うと、以前宝塚歌劇HPの公演バックナンバーに一通り目を通した際に、一番印象に残っていたのがオーシャンズ11のポスターだったからだ。

結果、素晴らしい演技の数々にすっかり熱を上げてしまい、7日間のレンタル期間で丸3周した。たったの880円で8時間近くも楽しんでしまい、なんだか申し訳ない気すらする。この気持ちはキャトルに持っていこう。宝塚Forever。

 

 

以下、拙い感想。今回はアナスタシアとの演技の振り幅に特に驚かされた3人を中心に書いてみた。

 

あらすじ

大筋は原作のオーシャンズ11と同じだけど、宝塚版ではテスが若きディーヴァとなっていたり、ベネディクトの新しいホテルがエコホテルでNPO団体も絡んでいたりと設定や登場人物がゴージャスになっている。

 

演技の振り幅に特に驚かされた3人

桜木みなと|テリー・ベネディクト

アナスタシアで演じた詐欺師ヴラドは、真意の読めないお茶目な三枚目。冷酷非道で強欲なテリーとは全く異なる役どころだが、共通項は悪い男。

桜木みなとさんが演じる悪い男は、何故だか魅力的な男に映る。ご自身の愛され属性が役にも作用しているのか…?兎にも角にも愛される悪役って素敵。

以下、桜木テリーの好きなシーン。

  • アドリブの流れで、ベス(愛白もあ)から「ボスは…?」と腕立て伏せを求められ、嫌そうな表情を浮かべながらも跪き、「ベス…ッ!最高のぉ…秘書だ〜!」と雄叫びを上げながら腕立てをする姿に合掌。
  • テスの夢の中でテリーがアダムに扮するシーン。テスを前に白い歯を見せて笑っているように見えるが、終始目が全く笑っていない。このシーンだけ観ても、テリーの張り付いたような笑顔から彼が本性を隠しているのがわかる。目で訴える演技が本当に上手い。
  • テスからおやすみのキスを拒まれた後、気にしてないよと言わんばかりの優しい微笑みを見せるのに、部屋を後にする際にほんの一瞬だけ、苛立ちで表情が歪むのも良い。この一瞬でいい人を演じきれず気性の荒さが垣間見えてしまった感じが堪らない。
  • ラスティー(芹香斗亜)が医者に扮してソールを回収するシーン。ここは新喜劇か?と思うほどのぶっ飛んだ芹香ラスティーのアドリブに、途中から笑いを堪えきれなくなった桜木テリーが可愛いかった。
  • イベントには出演できない、私はあなたの人形じゃないと訴えるテスに対し「君は…俺がベガスで作った中で1番美しく、価値があるものなんだ」と物扱い発言。さらにこの後テスの手を取るのだが、まるで壊物に触れるようなちょっと不自然な引き寄せ方をする。怒号のあと、「歌うんだテス…俺のために!」とテスと目も合わせず高笑いしている姿は正に悪役。痺れる。

 

和希そらライナス・コールドウェル

アナスタシアでは皇太后の侍女のリリーを演じた和希そらさん。リリーがバーで高らかに歌い上げるシーンでその歌声に魅了されたのだが、今度はライナスのダンスシーンで息を呑むことになる。

そして、セクシーで魅力的な大人の女性にも、あどけなさが残る青年にもなれる演技の振り幅…一体どうなっているの…?

以下、和希ライナスの好きなシーン。

  • ライナス初登場のダンスシーン。とにかくステップが軽やかで、音もなくふわっと飛んでいるような、重力を感じさせない動き。嵐育ちのわたしは大野くんのダンスに近いものを感じたのだけど、後で和希さんはヒップホップ出身と知り納得。
  • リリーの歌声は伸びやかでド迫力!って感じだったのに、ライナスにはその影もなく、繊細で可愛らしい声色。その違いだけでも楽しめちゃう。
  • 「あんたたちと飛んでみるよ!」とダニー(真風涼帆)たちと手を組むことを決心したライナスが、ダニーと踊るシーンは素敵だったな…これ、数年後に和希そらさんがダニーとして次世代のライナスと踊ってるの見て泣くやつだ…。
  • ライナスが賭博委員会に成りすますシーンでは、スリの技術は一流でも詐欺はズブの素人です、と言わんばかりの見事な棒読み演技。か、かんわい〜!

 

寿つかさソール・ブルーム

アナスタシアでマリア皇太后を演じたお方が、こちらでは往年のカリスマ詐欺師ソールを熱演。

どちらもご老人ではあるのだけど、立ち姿から全く異なる。凛とした佇まいのマリア皇太后に対して、ソールは首も腰もだらしなく曲がったおじいさん。同じ人間が演じているとは到底思えない変貌っぷりに感服。

以下、寿ソールの好きなシーン。

  • ソールがライナスの父・ジミーとかつて宝石強盗をした思い出を語るシーン。警察に包囲されたところを命からがら逃げたエピソードを、たった一脚の椅子だけを使って臨場感たっぷりに再現する演技に痺れた!
  • ソールの「飛ぶんだ、ライナス」というたった一言の台詞の間にも、色んな表情が詰まっている。ギュッと眉間にシワを寄せ厳しい顔をしたかと思ったら、慈しむような柔らかい表情に。表情作りが素晴らしすぎて、これが宙組組長…!と平伏した。
  • ソールがダニーらに演技指導するシーン。「あなたとの素敵な出会いに…愛してるぜ」と投げキッスをする姿は、おじいさんのはずなのにあまりにも格好良くてビックリした。だるだるの服を着ているのに紳士に見えるんだもの。カリスマ詐欺師の名は伊達じゃない。
  • そしてダニーらが台詞を復唱する時には真風ダニーがカメラに抜かれ、その格好良さに思わず唸る。(ただ強欲なヲタクなので、全員の投げキッスが見たいからこの瞬間だけ画面を11分割してくれと思った)

 

印象的なシーン

  • フランク役の澄輝さやとさん、手脚が長く男性モデルのような素敵な体躯。役柄に合わせた褐色肌もよく似合う。めちゃくちゃ格好良い!ただ、この公演で退団されたと知り「推しは推せる時に推せ」という言葉を思い出す。
  • リヴィングストンの既視感の正体:渋谷ディビジョン
  • リヴィングストンを羽交締めにする警察官役の琥南まことさん、お顔が良いなぁと惚れ惚れ。
  • テスからビンタされて「快感だァ」と言うダニー、あまりに格好良すぎて心の中のノブと大悟が同時にちょっと待てぇボタンを押した。
  • テリーが逃走したダニーを捜索するシーンでラスティーが放つ濃厚な投げキッス、お顔の作画が完璧。
  • ちなみに、芹香斗亜さんのことは勝手に「宝塚の赤西仁」だと思っている。長めのやんちゃな襟足もオールバッグもよく似合う端正なお顔立ちにセクシーな歌声。宝塚でごくせんやりません…?
  • 「(離婚届は)要らないわ!」と破り捨て、ダニーにぴょんと抱きつく星風テスの可愛さったら…!ダニーが骨抜きにされちゃうのも納得。

 

オーシャンズ11で特に素敵だなと思った曲は「愛した日々に偽りはない」だった。詐欺師のダニーがテスに向けて嘘偽りのない愛を吐露する姿に痺れる曲なのだが、フィナーレでは芹香斗亜さんがこの曲を歌われて思わず頭を抱えた。これがまかキキか〜〜〜!とシンメ好きのジャニヲタの血が騒いじゃったね。