『ロミオとロザライン』7月24日マチネの記録

わたしがジャニーズJr.の川﨑皇輝くんを認知したのは、サマパラ2016『#Honey♡Butterfly』。中島健人くんのバックに笑顔がちょ〜〜〜可愛い男の子がいる!と調べたのが、14歳になったばかりの川﨑皇輝くん。生田斗真似のお顔で尊敬する先輩は櫻井翔、これは信頼できる…!とひっそり応援していた。そんな彼が外部初主演と来たら観に行かない訳がない。

今回はJr.情報局枠でチケットを取ったのだけど、座席は21列中14列目。あんまり座席良くなかったな~と思いながら会場に着くと、思ったより全然近い。むしろ1列目とか近すぎてバグらない?大丈夫?ってくらい近い。紀伊國屋サザンシアター、良い会場ですな。

 

以下、あらすじと感想。

 

あらすじ

映像作品で人気の役者・北上修一(川﨑皇輝)は『ロミオとジュリエット』で舞台初主演を務めることに。

初日まであと5日に迫った稽古中、ロザラインがジュリエットと同じくキャビュレット家の者であることに気付いた北上は、ロミオは本当にロザラインを好きだったのか?と疑問に思う。ロミオの感情を理解できないと演技はできないと稽古場を去る北上。

演出家の松谷亜希子(吉倉あおい)もロミオにとってロザラインは何なのかを説明するため、ロミオとジュリエットの世界に没入していく。

 

印象的なシーンと感想

  • 舞台は剣を使ったダンスシーンから。皇輝くんの動きから滲み出るジャニーズ感ったら…!1人だけキレが全然違うし、手首を使った剣さばきもお見事。流石は入所10年目。サマステ難民としては、踊る皇輝くんを拝めてありがてぇ…ありがてぇ…の気持ち。もうここの数分でチケット代の元は取た。
  • このダンスシーンでモンタギュー側は赤、キャピュレット側は青の衣装を纏っており、本編でもロミオは赤い衣装、キャピュレットの姪であるロザラインが青い衣装を着ている。宝塚版とはイメージカラーが逆で興味深かった。
  • 色の話で言うと、役作りのために北上とデートをすることになったジュリエット役の蓮見なな(飯窪春菜)が真っ赤なワンピースを着ていたのも印象的。ジュリエットを演じている時は白い衣装を纏っている蓮見が、私服で赤を纏い「(役を理解するために)ロミオに恋をしたい」と言うのだが、それはもう好きになり始めてるのよ…とメンカラを身につけがちなヲタクは思った。
  • あとはマキューシオが紫、ベンヴォーリオが緑、ティボルトが黒、パリス伯爵がピンクの衣装なのだが、ジャニーズのメンカラ概念に嵌まってて「わかる」しかなかった。(SexyZoneのメンカラで言うと、ロミオが佐藤勝利、マキューシオが菊池風磨、ベンヴォ―リオが松島聡になるんだけどピッタリ過ぎない?)

 

  • 北上がロミオを演じていて抱いた「ロミオは晩餐会の招待状を読んでロザラインがキャピュレット家の者だと知るのに、後にジュリエットに恋をした時のように家柄のことで葛藤したりしない。それどころか冒頭でロザラインへの愛を熱く語っておきながら、ジュリエットに一目惚れするのはなぜ?」という疑問が今作のテーマ。
  • わたしも道枝くん主演のロミジュリを観た時に同じところが引っ掛かっていたので、面白いアプローチだなと思った。
  • 宝塚版だとロザラインのくだりがばっさりカットされ、ロミオが恋を知らない純情男になるのも宝塚らしくて面白いよね。個人的にはこっちのほうが話が入って来やすかった。
  • 今作では蓮見がロミオのことを「キングオブチャラ男よ!」と言うけどまさにそう。気が多すぎるよロミオ。

 

  • 疑問が解消できない限りロミオを演じられないと稽古場を飛び出した北上。彼はホームレス役を演じるために1ヶ月路上生活までしてしまうリアリティ追求型の役者だった。(お酒はまだ飲めないからカルピスで!という台詞があることから北上は未成年なので、そんな子に路上生活を許す事務所どーなってんだ!?と心がざわつく)(過保護乙)
  • 稽古場を飛び出した日の夜、北上は松谷に謝罪の電話をする。というのも、北上は1ヶ月前に電話で松谷に告白をし、千秋楽を迎えるまで返事を保留にされていて、嫌われてしまったのでは思ったのだ。好きな人を困らせてでも、役者としての自分の信念は絶対に曲げないという北上の姿勢は素晴らしい。でも自分で調べろよ!
  • 1ヶ月前の電話の回想が終わると「回想終わり、背中に哀愁を背負って退場」的な台詞とともに下手にはけていく北上が可愛い。(今作はメタ発言により演出上わかりにくいところをバンバン説明していく)(わたしは面白くて好き)
  • 実際のところ、あの顔から「今彼氏いますか?年下は嫌いですか?」と言われて断る人おるんか?わたしなら仕事も恋も150:150(cf.平野紫耀)でやるけどな。
  • 演出家として北上の疑問に答えなくてはと睡眠時間を削って文献を漁る松谷。そのうち睡眠薬ハルシオンに頼らないと眠れなくなってしまう。
  • 浅い眠りの中、松谷はロザラインとして『ロミオとジュリエット』の世界に存在する夢を見るように。そこで得た答えは、「ロミオはロザラインと結婚する気がなかったから、家柄を気にする必要がなかった」「ただ、ロザラインへの恋はジュリエットへの気持ちが本物だと気づくために必要だった」であった。
     
  • 稽古シーン、安藤洋(大高洋夫)がキャピュレットを演じていたかと思いきや、次の場面ではキャピュレット夫人に。布マスクに鼻と口が描かれていて、それで髭面を隠しているのには笑った。
  • 蓮見からも「安藤さんがキャピュレット夫人をやってる時点でギャグ」と言われてしまう。蓮見、可愛い顔してズバズバ言う役なので本当にスカッとジャパンなのよな…。
  • 安藤がシェイクスピアの台詞は長ったらしいと「かくかくしかじか」で済まそうとしたのも面白かった。シェイクスピアは台詞がいちいち長すぎて、観劇後何て言っていたのかセンテンスで覚えてない問題は身に覚えがある。(道枝くんの時も「9時!」しか覚えてなかった)(めっちゃ脚長いやつ)
  • あと大高さんの顔、絶対どこかで見たことあるんだよな…と思って調べたら、未満警察の副校長でした。記憶力良いかよ。

 

  • 役作りのためと、ディズニーデートに行った北上と蓮見。パーク内で2人揃ってサングラスを外す。忍ぶ気ゼロやん!そりゃ週刊誌にも撮られるわ。(というか"Google翻訳"とか"ディズニー"とか"週刊文春"とか固有名詞バンバン出て来てビックリした)
  • うさ耳がついたシルクハットを被る皇輝くん、可愛かったな〜〜!あとこのシーンでトレンチコートになるのも良い。ハンサムが増す。
  • 蓮見に松谷監督のことが好きなんでしょと言い当てられる北上。松谷に我儘放題で困らせている北上しか観客は知らないが、どうやら北上はいつも熱視線で松谷を見ていたらしい。
  • 次第に蓮見に気持ちが移って行く北上と、「わたしが好きになりたいのは北上さんじゃなくてロミオよ」と釘を刺す蓮見。結局、北上の松谷に対する気持ちも、ロミオがロザラインのことを一瞬で忘れたのと同じように、その程度のものだったのだ。

 

  • モー娘。の飯塚さん演じる蓮見を元アイドル現女優にしたのは面白いなと思ったけど、彼女に「アイドルは中途半端に終わったから、女優は頑張りたい」的な台詞を言わせるのは酷じゃない…?わたしの推しが当て書きでこんなこと言わされたら泣いてしまう。
  • 蓮見のマネージャー寺尾(ザンヨウコ)が、蓮見が名女優になれるようにと「松たか子さんの爪の垢よ!煎じて飲みなさい!」と笑顔で渡すの狂気に満ちてて笑った。どんなルートで手に入れたん?
  • そして暗転すると松尾が「あらもう暗転?」と言いながら話し続けるのも面白い。暗転したあとに「大竹しのぶ……」って言ってたけど、果たして大竹しのぶさんが何なのか。めちゃくちゃ気になる。

 

  • マキューシオとティボルト、ティボルトとロミオが決闘をするシーンは、しっかり殺陣の尺を取ってくれてて見ごたえがあった。皇輝くんいつかるろ剣的な作品でガンガン人切って欲しいな。(物騒)
  • ティボルト役の猪川昌男(渡辺芳博)が、実は蓮見のヲタクで握手会に足繁く通っていた設定は面白かった。ティボルトは幼い頃からジュリエットを側で見守ってきたが、愛を伝え成就できる立場にはない。『ロミオとジュリエット』に沿って従兄妹同士でも通るところを、"アイドルとヲタク"に置換するアイデアが良いよね。

 

  • ロミオがティボルトを殺めてしまい、ロレンス神父のところで泣き伏せているシーン。ロミオが舞台のへりギリギリで突っ伏すもんだから、1列目の座席の人と顔が近すぎて観客の呼吸が止まってしまわないか不安になった。てか泣きの演技上手いな。
  • キャピュレット家の墓でロミオが「ジュリエットとともに眠ろう」と毒を飲むところで、双眼鏡越しに皇輝くんの鋭い視線をいただきました(合掌)
  • ロミオもジュリエットもとにかく長台詞が多いのだけど、めちゃくちゃ早口で言っても噛まないどころか聞き取りやすかったのが印象的だった。皇輝くん絶対ラジオ向きの声だ…!ラジオやって欲しい!

 

  • 自分に告白をしてくれた北上が、次第にジュリエット役の蓮見と仲良くなっていく姿に嫉妬を覚える松谷。ただそれは、幼い頃思い入れのなかった人形を友達から欲しいと言われた途端に惜しくなったのと同じだと悟る。自分が北上を心から愛している訳ではなく、ただ他人が欲しがるから彼に価値があるように思えて執着しているだけだと。
  • 最終的にハルシオンを飲んでも眠れなくなってしまうのだが、睡眠導入剤をほんの数日服用して効かなくなるはずもないので、以前から常用していたことがわかる。もともと松谷は自分を追い込み精神的に不安定になりやすい気質か。
  • ぬいぐるみが松谷の嫉妬や執着といった負の感情のメタファーだとしたら、ラストシーンで舞台に落ちてくる大量のぬいぐるみは負の感情に飲まれてしまった松谷の心そのもの。禍々しい世界観にぞっとした。絵面が完全にホラーなんだもん。

 

  • シェイクスピアは台詞が長くて単調になりがちだけど、現代パートにギャグを散りばめることで緩急がついて、幕間なし2時間ぶっ通しでも間延び感なく楽しめた。
  • カーテンコールで床に散らばったぬいぐるみを、キャストが避けたり集めたりしてるの微笑ましかったな。

 

以上、『ロミオとロザライン』の感想でした。

幸運にもこの4ヶ月間で道枝駿佑、礼真琴、川﨑皇輝のロミオを観た訳だが、みんな違ってみんな良いとはまさにこのこと。この中で一番チャラ男のイメージから遠い皇輝くんが「キングオブチャラ男」なロミオを演じたのは興味深かったな。

そして18歳の皇輝くんのお芝居を間近で観ることができてとっても嬉しかった!今日19歳になった皇輝くんが、残り4公演を元気に、無事に、演じ切れますように。