『NEWSIES』10月26日ソワレの記録

最近ジャニーズの現場に行くと見学被りが続いているm.です。スタオベは中島健人、ブライトン・ビーチ回顧録松島聡ハロルドとモード生田斗真と来て、今回は田中樹。我ながら豪運過ぎない?

今回の座席は2階D列下手側。座席が横に迫り出しているためステージとの距離が近い代わりに、ステージ下手8番以降が見切れてしまう席だった。声は聞こえるけど姿が全く見えない場面もあり。でもそんなの帳消しになるくらい、本当に素敵な舞台だった…!

 

以下、あらすじと感想。ネタバレあり。

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あらすじ

舞台は1899年ニューヨーク。当時の新聞は「ニュージーズ」と呼ばれる子どもたちによって路上で販売されていた。ある日突然、新聞社「ニューヨーク・ワールド」がニュージーズへの卸値の値上げを発表。子どもたちは不当な値上げに立ち向かうべく、ストライキを決行する。

 

 

印象的なシーンと感想
  • 冒頭、ビルの屋上で眠るジャック(京本大我)とクラッチー(松岡広大)。客席を背にして眠っているのだけど、寝姿ですら京本大我のオーラを放っているので一瞬でどっちかわかるから凄い。因みに下手側。
  • きょもが『on eST』円盤で体づくりを始めたと言っていたけれど、4ヶ月程度で人ってこんなに体つきが変わるんだとびっくりするくらい、大きくて逞しい体つきだった。
  • 更には陶器のように真っ白な肌を封印し健康的な浅黒い肌にした姿は、私の知るSixTONES京本大我ではなく、新聞を売って生計を立てる17歳の少年・ジャックそのものだった。
  • 木製の貯水タンクに白いチョークで「Santa Fe」と書くジャック。今までの公演で書いてきたチョークの跡が残っているのだが、何度も何度もそこに「Santa Fe」と書いては、憧れの地に想いを馳せてきたジャックの姿が透けて見えるようでとても良かった。

 

  • 朝、新聞を仕入れるニュージーズたち。そこに新入りのデイヴィ(加藤清史郎)と弟のレス(この回は西田理人)が現れる。
  • 卸した新聞は後払いでも良いのか、余った新聞は買い取ってもらえるのかとワールドの社員に食い下がるデイヴィ。当時ニュージーズの間では当たり前になっていた不当な取り決めに対して疑問を投げかけるデイヴィは、観客の代理人的存在、或いはストーリーの説明役だと感じた。
  • そんなデイヴィだが、髪色がまさかのピンク。しかもウィッグじゃなくて地毛。加藤清史郎くんが派手髪にしているイメージ全くなかったからびっくりした。
  • 通りかかったキャサリン(咲妃みゆ)にナンパするも相手にされないジャック。咲妃みゆさんがあまりにも可愛すぎるので、こんなに顔の良い男から絡まれても毅然とした態度でいられることに説得力しかなかった。
  • あとキャサリンのお衣装が全部可愛い。色合いといいアクセントのチェック柄といい、PAMEO POSEっぽくてツボでした。

 

  • オフィスで美容師に髪を切ってもらいながら、部下と売上低迷の打開案を話すピュリツァー(松平健)。少しも時間を無駄にしたくない厳格な経営者という印象をまず抱いたけれど、しゅっちゅう顔を動かしてその度に美容師から怒られる姿はなんだか可愛らしい。
  • 松平健と言えばマツケンサンバのイメージが先行してしまうのだけど、洋装も先がくるっと丸まった口髭もとってもお似合いでした。あと当たり前だけどめちゃくちゃに歌が上手い…。

 

  • レス、新聞を売るのが上手い。咳をしながらカップルに近づき、「可哀想な孤児から新聞を買っていただけませんか…」と女性の方に声を掛け買ってもらう。
  • 可哀そうな子どもの演技をすれば新聞を買ってもらえることに気付き、学校より楽しい!と無邪気に喜ぶレスと、そんなこと言うもんじゃないと嗜めるデイヴィ。デイヴィは真面目で正義感が強いお兄ちゃん像そのもの。
  • すっかり兄弟を気に入ったジャックが売上金で夕飯を食べに行こうと誘うも、ふたりは父親の失業により一時的にニュージーズを始めただけで、家には食事を作って待ってくれている両親がいると知る。
  • 逆にふたりから家で一緒に食べようと誘われるも、そういえば仲間と約束があったのを忘れてた!と断るジャック。いつも明るく振舞っているジャックの中にも、所謂「普通の暮らし」をしている子どもに対するコンプレックスが露わになった瞬間。
  • ジャックがふたりと別れようとするも、感化院のスナイダーが現れ一緒に逃げる羽目に。

 

  • メッダ(霧矢大夢)の劇場へ逃げ込んだ3人。
  • ジャックが以前、感化院から逃げる際にルーズベルト知事の馬車に飛び乗ったこと、メッダはルーズベルト知事と面会できる間柄にあることが会話の中で出てくるのだけど、これがきちんと伏線回収される(むしろ物語のキーになる)とはこの時点では気付かず、最後めちゃくちゃ気持ちが良かった。
  • 楽屋で着替える下着姿の女性ダンサーを見て、この人たち服着てないよー!と騒ぐレスが可愛い。そしてこの時のピンク色のレーシーなお衣装姿がとっても綺麗で眼福。
  • 舞台の幕が上がると、男性客を誘惑しながら高らかに歌い上げるメッダが格好良すぎて痺れた…!メッダがハイヒールを履いたまま脚を男性客の太ももに掛けるところなんて堪らない。そこ代わってください。
  • プライベートボックスで独りメモを取りながら観劇(取材)をしていたキャサリンを見かけ、「また会ったね、運命かも」とすかさず隣に座るジャック。そうかも!とならないどころか死ぬほど嫌な顔をするキャサリンは魂が強い。
  • 上演中にも関わらず言い争うジャックとキャサリンに、「2人ともタダ見なんだからちゃんと観なさい!」と注意するだけで追い出さないメッダは寛大。
  • 注意されたあと、おもむろに新聞と鉛筆を取り出して何かを描くジャック。描き終わると座席にそれを置いて去っていく。そこにはキャサリンの横顔が描かれていた。
  • キャサリンがそれを手に取った瞬間、プライベートボックス背景のカーテンが開いてジャックが描いたキャサリンが大きく映し出される演出がドラマチックで宝塚っぽいと感じた。
  • 幕が上がる前に、ジャックが舞台背景を描くほど絵が上手いという設定がメッダとのやりとりの中で明かされているので、このくだりもスッと入ってきた。設定の開示と伏線の回収が鮮やかで無駄がない。
  • あと、タイタニックのジャックも貧しいけれど絵が上手いことがきっかけで高貴な育ちの娘から好意を抱かれるので、やっぱり絵が上手いって強カードなんだな…と思うなどした。

 

  • 翌朝、新聞の卸値が100部60セントになることが突然発表され、ざわめくニュージーズたち。何の冗談だと先陣を切っていつも通り50セントを出したジャックだったが、60セント出せと跳ねのけられてしまう。そこでジャックは、ニュージーズの不当な扱いに異を唱えようとストライキを決行する。
  • 朝の騒動を知ったキャサリンは、ニュージーズの権利を守るためのストライキに賛同し、取材がしたいとジャックに申し出る。
  • キャサリンは名前を聞かれ、記事を書く時のペンネームで答える。なぜ本名を明かさないんだろう?と引っかかっていたらここも伏線だった。

 

  • 翌朝、歌って踊りながら赤いペンキで新聞に「S」「T」「R」「I」「K」「E」と書き、それを貼った壁の前で記念撮影。ストライキ決行前に和気藹々としていて微笑ましい。
  • しかし仲間の中から裏切り者が3人現れ、ワールド社の言い値で新聞を買ってしまう。そんな3人に対し、「金で雇われたんだろう、でもここで仲間割れをしたらピュリツァーの思う壺だ、団結しなきゃ」とジャックが語り掛ける。ジャックの思慮深さと優しさが垣間見えるシーン。ジャックの言葉に心を動かされた3人は買った新聞を返却する。(一人は地面に叩きつけていた、ロック)
  • そうしてワールド社側との乱闘が始まったところに警官とスナイダーが現れ、クラッチーが感化院に連行されてしまう。
  • 松葉杖をつくクラッチーから松葉杖を取り上げ、松葉杖に貼られた「STRIKE」の張り紙を破り捨て、暴力を振るうスナイダー。いっそ清々しいほど嫌な奴。

 

  • クラッチーに助けを求められるも、ジャックは何もできなかった。自分が得意げに仲間を引き連れてあんなことをしたからクラッチーは傷ついてしまった、自分を知る人間のいない遠い土地に逃げてしまいたいと、独り屋上でサンタフェを歌う。
  • 全てを諦めたかのように涙する儚い表情と、叶わぬ夢に焦がれるような力強い歌声に、ジャックの葛藤が現れていてとても良かった。圧倒的顔面美と圧倒的歌唱力が遺憾無く発揮されていた。最高。
  • ジャックの心情に引きずり込まれて観ている側も体力を使うシーンなので、ここで第1幕が終わるのは納得。そのまましばらくはジャックの涙の余韻に浸っていた。

 

  • 翌日、キャサリンが書いたストライキの記事が一面に載り、ヒーロー気分のニュージーズたち。有名人になったら何を買おう?有名人は何でもタダでもらえるんだよ、という少年たちのやりとりに首をかしげるキャサリンが可愛い。
  • ここでキャサリンがレス(子役)の隣に腰かける場面があるのだけど、顔のサイズが一緒でびっくりしてしまった。きょもと並んでもめちゃくちゃ顔が小さいな~とは思っていたけど、まさかリアル子どもサイズとは。お見それしました。
  • ニュージーズたちが軽快にタップダンスをする姿を見て、たどたどしく真似してみせるキャサリン。周りが誰もノッて来ないので、も~!とプリプリしながらスカートをたくし上げて思いっきりタップをする姿がとっても可愛かった。

 

  • 場面は変わって夜、感化院。大きなネズミが這い、1つのベッドで3人の少年が眠るような劣悪な環境の中、蝋燭の火を頼りにクラッチーはジャックに手紙を書く。
  • 手紙の結びで、「僕の親愛なる…友達、いや親友、いや兄弟」と横線を引きながら書き加えていくクラッチーからは、ジャックへの敬愛しか伝わってこない。助けてもらえなかったことを全く恨んでいない、真っ直ぐなその姿が泣ける。
  • クラッチーの歌声を聞いてうるさいと怒鳴りに来るスナイダー。どこまでも嫌な役。そのまま上手でセットチェンジが終わるまで巨大ネズミとスナイダーが戦っているのは面白かった。

 

  • メッダの劇場で新しい舞台背景を描いているジャック。そこにデイヴィ、少し遅れてレスとキャサリンが現れる。
  • ストライキにはもう参加しない、と頑ななジャックを前に、ヒーローになってモテモテになった、サリーという彼女が出来たと得意げに話すレスが無邪気で癒される。
  • デイヴィはジャックに、僕たちは負けたんじゃないと訴える。そしてストライキの輪を広げるために、各地のニュージーズをメッダの劇場に呼んで集会を開こうと提案する。
  • メッダは集会所として劇場を貸すこと快諾、更にはジャックに「他所へ行きたいから出て行くのと、現状から逃げるために出ていくのは違う。逃げるために出て行ったら、あんたの居場所はもうどこにも見つからない」と諭す。メッダのジャックを想う気持ちが透けて見えてジーンときた。
  • そうして、ジャックは再びピュリツァーと立ち向かう決意をする。

 

  • ピュリツァーのオフィスを訪ねたジャックが、ピュリツァーに明日の集会で演説をする時間を与えようと得意げに提案する。しかしピュリツァーは、金を受け取ってストライキを中止させろ、さもなければ全員感化院送りだと脅す。
  • 更にその場にはキャサリンもおり、ピュリツァーの娘であることが判明。ジャックは絶望の中、古い印刷機の上で眠るしかない冷たい地下室に幽閉されてしまう。

 

  • 翌日、ブルックリンなどニューヨーク市中のニュージーズがメッダの劇場に集結。時間になってもジャックが現れず、代わりにデイヴィが集会の音頭を取る。
  • やっとジャックが現れるも、ピュリツァーが2年間は価格を据え置いてくれると約束してくれた、だからストライキ反対に投票してくれと言い出し大ブーイング。

 

  • ジャックが寝泊まりする屋上を訪れたキャサリン。そこで、ジャックが描いた感化院の様子を目にして愕然とする。
  • 帰ってきたジャックは、キャサリンが勝手に絵を見たこと、ピュリツァーの娘であることを隠していたことに対して怒る。キャサリンは騙すつもりはなかった、名前も記事を書く時に使っているペンネームを教えただけで嘘をついていた訳じゃない、それにあなただって本名を聞いてくれなかったじゃない!と逆ギレ。
  • ぶん殴ってやる!と拳を握りしめ、腕をぶんぶん振り回すキャサリンに、やれるもんならやってみろよ、ほら、と頬を殴るよう挑発するジャック。あ、この流れは来るな…と察したところでキャサリンがジャックの唇を奪う。
  • こんな失礼なやつ大嫌いよ!と言っていた威勢の良いヒロインが突然キスする流れ、どこの花男だ~~~と思いながらキュンときた。お約束展開ってやっぱり良いよね。
  • その後、まだやれることはある。ストライキを他の児童労働者にも広げよう、そのためにビラを作るの。私が文章を書いて、あなたが絵を描けばいいわ。とてきぱき話を進めていくキャサリンに、「待って、さっきのは、何…?」とキスの意味を確認するジャックが不器用全開で可愛い。
  • その後キャサリンを抱きしめキスをするジャックが、体格差も相まってめちゃくちゃに"男"って感じで大変良かったです…SixTONESの中にいたら姫なのにね…やっぱり男なんだね…。
  • ただこのシーンだけで3回もキスしたのには笑った。めちゃくちゃキスするやん。

 

  • 真夜中、ピュリツァーのオフィスに忍び込み、地下にある古い印刷機ストライキのビラを刷っていく。
  • キャサリンが印刷技術を持つ大手新聞社の御曹司たちを連れて来るのだけど、このラインナップの中でキャサリンを射止めたジャック、最高過ぎない?やっぱり人は心なのよ。
  • 動き出した印刷機から実際にビラが出てくる仕掛けには驚いた。どういう仕組みなんだろうとまじまじ見てしまったよね。
  • ニュージーズたちによる息の合ったダンスが圧巻。宝塚の男役群舞とはまた違った、荒々しくて力強いダンスの良さに気付かされました。

 

  • 翌朝、電話が鳴りやまないピュリツァーのオフィス。ニューヨーク各地の児童労働者がストライキを起こしたため、事の発端となったピュリツァーへの問い合わせが殺到していた。
  • ジャックはピュリツァーから渡された札束を返し、再度交渉をする。100部50セントのままでは採算が取れない、間を取って55セントにしようと提案するピュリツァーに対し、なら売れ残った新聞は全て買い取るんだ。売れ残った新聞を買い取ってもらえるとなれば、皆今より多く新聞を卸して売ろうとするはずだ。それこそ公平だと返すジャック。
  • 交渉成立で掌に唾を吹きかけて差し伸べるジャックと、嫌々ながらちょこっとだけ唾をつけて握手をするピュリツァー。敵役として描かれていたピュリツァーが、和解のシーンで観客の笑いを取る演出が良いなと思った。
  • 劇中で度々出てくる「唾を吹きかけた手で握手をする」慣習を知らずハテナだったのだけど、調べたところ古くから伝わる子どもの約束の儀式だそう。
  • 最終的にピュリツァーから絵の才能を買われ、新聞で絵を描かないかと誘われるジャック。子どもとしてではなく、対等なビジネスの相手として扱われていて、この握手の意味を感じた。

 

  • いつもの場所で新聞を卸すニュージーズたち。
  • そこにキャサリンとメッダに連れられルーズベルト知事が現れる。ジャックが描いた絵によって感化院の現状を知った知事は、感化院の閉鎖を決定。子どもたちを不当に収容したスナイダーは逮捕すると告げた。
  • クラッチーが解放され、喜ぶニュージーズたち。知事に許可をもらってスナイダーに手錠をかけたクラッチーが、松葉杖をつきながらも思いっきり飛び蹴りしたのはスカッジャパン。というか松岡広大さんの身体能力どうなってるん??
  • 旅に出ようかなと言い出すジャックに「ニューヨークになくてサンタフェにあるものって何?砂嵐?」「ニューヨークには仲間がいるよ!」と笑いながらここにいてよ、と訴えるニュージーズたちに泣けた。
  • その上、「あなたはもう一枚エースのカードを持っているわ!」と手を広げるキャサリンが最高過ぎて。自分をエースのカードだと言い切れるの凄くないですか、愛を確信していないとこんなこと言えないよね。もう本当に堪らなく可愛い。
  • 抱き合ってキスをするジャックとキャサリンを指差して、幼いレスが騒ぐのも微笑ましい。レスは終始場を和ませる天使だった。

 

  • 最後、パレードの動きがまんま宝塚で大興奮。一礼したキャストさんたちが「ハ」の字に並んでいき、松平健さんが一礼し終わったところで曲が止み、別の曲が始まったところで0番の奥に立つきょもにスポットが打たれる。
  • その瞬間きょもが背中に大羽根を背負っているような錯覚を覚えた。実際はジャックのボロボロの衣装のままなのに、キラキラ輝いて見えた。これがスターかぁ…と息を飲んでしまった。
  • カーテンコールはスタンディングオベーション。もう一度出てきたきょもが、ダーッと上手に走って行ったと思ったら、助走をつけてバク転をするフリをする。可愛い。綱引きのパントマイムをしながら下手へ捌けて行き、最後の最後で超キュートなアイドルの顔も見れて大満足でした。

 

 

おまけ

開演前、突然壮大な鐘の音が鳴り始めたと思いきや「本日はご来場いただきありがとうございます。ジャック役の、京本大我です。皆様に、お願いがございます…」と感染予防対策に関するアナウンスが。

その効果か、今年入った現場で一番客席内が静かだった。そりゃあきょもから直々にお願されたら、ヲタクは皆黙るよね。ぜひ他の劇場でも真似して欲しいな~と思いました。