aiko『Love Like Pop vol.22』6月8日の記録

ジャニーズと宝塚のことばかり呟いているわたしだが、実は一番ファン歴が長いのはaikoだったりする。aikoとの出逢いは2005年なのでもう16年。そりゃわたしもアラサーになっている訳だ…。

本当なら5月からスタートしていたこのツアーも、緊急事態宣言の兼ね合いで公演延期が続き、昨日やっと幕を開けた。(コロナめ…全然ライブさせてくれへんやん!火で炙ったろか! by.aiko)

 

以下、ライブの感想。ネタバレ注意。

 

座席について

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引用元:東京ガーデンシアター(東京都江東区)- LiveWalker.com

XA〜XCブロック(図の濃い青)は2列目までが撤去され、ステージ中央〜XB〜Bブロック前列にかけて花道があったため、XBは殆ど座席がなかった。

スタンド席の左右端のブロックは暗幕で覆われていたのだが、MC冒頭であそこはステージが観えない席やねんとaikoから暴露される。(がんばれ三井不動産)

そして今回のわたしの座席はXCブロック。ステージまで5mの距離。年始の『二宮ん家』でゲッターズ飯田が望みが叶う年と言っていたのはどうやら本当らしい。

 

あと今回は感染対策のためデジチケでしょんぼりしていたら、座席にフライヤーと紙チケが用意されていた。

しかもチケットにQRコードが付いていて、aikoに質問が送れたり(いつもは客席から各々質問を叫ぶ)、公演終了後にはセットリストも見れる(いつもは終演後に出口に掲示されている)。凄い。至れり尽くせりである。

質問を考えたりしているうちに開演時間に。入場が押したのか18:10過ぎからスタート。

 

1.片想い

ステージ中央でaikoがキーボードで1曲丸々弾き語り。aikoだけが白いスポットライトで照らされる。

今回のお衣装は白のフリルブラウスに赤の変形ジャケット、ベージュのワイドパンツでした。ゆるゆるな格好で可愛い。

後のMCで「最初に弾き語りなんてするもんじゃないわ~」と言っていたけど、静寂の中ちょこんと座って歌うaikoが愛おしくも儚げで良かった。

2.メロンソーダ

サビでBa.カズ(須長和広)のハモリが入る。これがまた良いのよ…aikoとカズのハモリが聴けるのはライブならでは。わたしの楽しみの1つだったりする。

3.ぬけがら

aikoがステージ中央から上手側に来てくれたのだけど、とにかく近くてびっくりした!LLPでこんなにaikoと近いのはかなり久しぶりだったから嬉しかったな。指差しされた時は時が止まった。

そして相変わらずツヤツヤのたまご肌だったんだけど、aikoは何を食べて生きているんだろう。この日はマグカップでお味噌汁を飲みながら歌っていた。

4.ボーイフレンド

aikoが花道へ行き会場の温度が一気に上がる。声が出せない代わりに、いつも以上にみんな手拍子しながらその場で跳ねて一生懸命リアクションをする。これよこれこれ!aikoのライブに来た~!とテンションが上がった。

5.シャワーとコンセント

サビの疾走感が聴いていて気持ち良い、ライブ向きの曲だな〜!と改めて思った。あと、イントロの0:14〜が『あたしの向こう』に似ているんだけど、音楽理論はわからないので解説はできません。(おい)

6.ライン

7.4月の雨

「6月だけど聴いて下さい、4月の雨」の曲紹介でスタート。その前までゆる~いMCをしていたのでふり幅が凄い。サビのハイトーンが気持ち良い。

8.ばいばーーい

aikoの息遣いとロングトーンに圧倒された曲。ストリングスが入って音が厚いのも良い。aikoのライブは全て生演奏なので、音を楽しむならアリーナよりスタンドの方が良かったりもするのよね…。

9.Last

10.しらふの夢

カズがウッドベースを弾いていて格好良い〜〜と悶えた。顔も良いから余計にね。目で追っちゃうよね。

11.ドライヤー

シングル『あたしの向こう』のカップリング曲。久々に聴けて嬉しかったな〜!

12.信号

曲終わりで曲のタイトルを紹介しようとするも、「しらふの夢、ドライヤー、……待ってあと何やったけ、あれ?」とタイトルをど忘れして慌てるaiko。可愛い。久々のライブにそわそわして1時間半しか寝てなかったらしい。今夜はいっぱい寝てね。

13.青空

繰り返し「恋が終わった」というフレーズが入っているように失恋の曲なのだけど、アップテンポで心が躍る曲。

14.予告

イントロで ♪トゥットゥル トゥットゥル〜 とご機嫌に歌うaikoが可愛い。(文字だけ見るとシュタゲのまゆしぃのようだ)(それはそれで可愛い)

15.磁石

16.相合傘

汗かきMix.の方。定番曲になると観客の手振りの一体感が増してとっても楽しい!

17.58cm

シングル『ハニーメモリー』のカップリング曲。聴けると思っていなかったからセトリ入りして嬉しかったな。四つ打ちの曲だから自然と手拍子で盛り上がる!

18.あたしの向こう

去年恋人と別れた時に死ぬほど聴いた曲なのだが、ノイズになることなく純粋に曲を楽しめたのですっかり昇華できたんだな〜と嬉しくなった。

 

〜アンコール〜 

19.ハニーメモリー

aikoはHAPPY END Tシャツのグリーンを着て登場。偶然にもお揃いになって嬉しかった。

20.エナジー

今何時?と時間を確認して、巻きます!と言った途端にaikoの歌い出す。これにピタッと合わせるバンドメンバーが本当に格好良いの…。

あとGt.のたらちゃん(設楽博臣)は演奏中はアグレッシブなのに、MCになるとめちゃくちゃに声が小さいから面白い。

21.いつもいる

コロナ禍でリリースされたアルバム『どうしたって伝えられないから』で一番歌詞が刺さった曲。何でもない毎日を慈しむことの大切さが身に染みる。

いつもいる

いつもいる

 

〜おまけ〜

22.be master of life

バンドメンバー全員でお辞儀をしたあと(いつもならここで捌ける)、 やっぱりあともう1曲だけやってもいい?と悪戯っ子のように笑うaiko小池百合子さんに怒られちゃう!急げ!と駆け足でスタート。

この曲で声が出せないのは歯がゆいけど、声の代わりに手拍子で届けようと全力で手を叩いて跳んだ。いつかまたaikoと全力で"Peace!"と叫びたいなぁ。

そうそう、定番の「男子ー!女子ー!そうでない人ー!」のC&Rは地団駄ver.とポールマッキー(指パッチン)ver.でやりました。そしてaikoに言われるがまま、無言で春日の"鬼瓦"のポーズをキメる客席が面白過ぎた。

 

そんなこんなで21時ピッタリに終了。ステージこそaikoが生きる場所なんだと実感したライブだった。aikoの声色や表情に心の底から歌える歓びが表れていて、観ているわたしまで幸せな気持ちでいっぱいになった。aikoがずっと笑顔でいられる世の中であって欲しい。無事にツアーが完走しますように。

'21月組『桜嵐記|Dream Chaser』5月28日の記録

宝塚の世界に足を踏み入れて早3ヶ月、遂に行って来ました宝塚大劇場

この日の座席は2階席3列目正面。俯瞰になるため舞台装置や人の動きが観やすく、思った以上に舞台との距離も近くて良席だった。ありがとうエポス。

 

以下、あらすじと感想。

※鑑賞が終わるまでネタバレを回避したい方はここでUターンしてください。

 

あらすじ

https://kageki.hankyu.co.jp/sp/revue/2021/ouranki/info.html

今回の公演解説は物語の大筋が簡潔にまとまっているので、観劇前にこれを一読しておけば問題なし。

対立構図がわかりやすく演出されているので、わたしのように足利尊氏後醍醐天皇の名前だけはかろうじて記憶にある知識0の人間が丸腰で挑んでも楽しめる。

 

印象的なシーンと感想

桜嵐記

  • 下手から光月るうさん演じる老爺が登場。何者かは後でわかると自己紹介もそこそこに、この物語の背景となる南北朝の背景を説明していく。
  • この説明、日本史の勉強をちゃんとして来なかったわたしでもスッと理解できるくらいわかりやすかった。スタディサプリで配信した方が良いのでは?
  • 上手から老婆が登場。老爺はこの老婆に伝えなくてはならないことがあり訪ねて来たのだ。そして楠木正行の物語が始まる。
  • ここ、くるっと振り返って弓を引く正行がとっても美しいので双眼鏡越しに凝視した。

 

  • 楠木正成の長男・正行(珠城りょう)、次男・正時(鳳月杏)、三男・正儀(月城かなと)や郎党らが登場しダンス。弓を引いたり馬を走らせるような振りがあり、合戦の描写だとわかる。
  • このダンスシーン、正行と正儀は終始キリッと引き締まった表情なのだが、正時だけは時折朗らかな顔つきが垣間見える。表情管理に拍手。
  • 正儀の「戦場は俺の遊び場や〜!」と、正時の「かような危ない遊び、したがる者の気が知れぬ。安全第一で務めさせていただきます!」に兄弟の性格の違いがよく出ている。人物紹介がこのワンシーンで完結しているのに唸った。あと単純にふたりが可愛くて最高。流石は上田先生。

 

  • 高師直(紫門ゆりや)に夫を赦して欲しいと懇願する女性に、夫を助けたいなら裸身になれと迫る高師直。わかり易く女の敵である。
  • 師直が囲っている女性は、着物の上から羽衣の様な羽織を半身だけ纏っている。これは裸身になった公家の女性を「羽衣を取られた天女」と例えた師直の言葉を示唆していることから、この女性らもまた師直に辱められたとわかる。
  • 弁内侍(美園さくら)を欲しがる師直。囲いの女性が、弁内侍の恩人の名で手紙を出し誘き寄せる。
  • それにしても、上田先生の作品には"男性が女性に強いる"描写が多いような。男尊女卑に対する違和感や嫌悪感が作品づくりの根底にあるのかな?

 

  • 弁内侍(美園さくら)を乗せた籠を百姓らが運んでいると、師直の手下に囲まれてしまう。一目散に逃げる中、百姓のジンベエ(千海華蘭)だけが「女の人をいじめたらアカン!」と弁内侍を助けようとする。
  • そこに楠木正行が偶然現れ、弓矢と刀で敵を一蹴する。ザ・王道な少女漫画展開、こんなの惚れてまうやろ〜〜〜!
  • すかさず弁内侍に「お怪我はありませんか」と声を掛けようとする正行を遮り「血が〜!」と騒ぐジンベエ。「こんなのかすり傷だっ」と傷口を布で抑えさせた後、「お怪我はありませんか」と声を掛け直す正行…健気でとってもカワイイ!
  • と思いきや、弁内侍には怒りと落胆の表情が。仇である師直と褥を共にし寝首を掻く千載一遇の機会を逃してしまったと。
  • 正行が「戦はあなたではなく、某が致します」と胸キュン必至のキラーフレーズを発するも、武士は皆師直と同じで欲で動くから信用できないと嫌悪感を露わにする弁内侍。大丈夫?本当にふたりは結ばれる?とやや不安になる。
  • 正行は、百姓のジンベエは弁内侍の素性を知らされていなかったにも関わらず咄嗟に助けようとした、人の心に身分は関係ないと説く。

 

  • 川に落ちた敵兵を引き上げ手当てをする正行らに、仇を助けるとは何事だと怒る弁内侍。
  • 彼らは百姓であり、武士に小銭で雇われただけだと諭しても聞かない弁内侍。姫君がそう言うなら仕方ないと敵兵に斬りかかろうとすると、弁内侍が「斬りつけろとは申していない…」と制止する。
  • この場で一番身分の高い弁内侍の赦しがあって救った、という体裁を作るためにわざと暴力的な振る舞いをした正行。彼の賢さが滲み出ているシーン。
  • 一方、兄に歯向かう弁内侍に途中噛み付いた正儀は、喧嘩っ早くて粗暴だけど兄想いな弟なのがだだ漏れで良かったですね…。
  • あなたは何のために戦うのかと弁内侍に問われ、何のために戦うかを知るためにと答える正行。このやり取りは自体はあっさりしているけど、正行の生き様に迫るとても大切なシーン。正行はこれを機に葛藤し、後に答えを見つける。

 

  • 下手で弓を引く正時。戦のワンシーンかと思いきや、ドヤ顔で取り出したのは矢ではなく木べら。会場が湧く。
  • 敵を斬らずに猪を狩り、料理を楽しむ正時に、戦で成果を上げずに料理だなんて情けないと嘆く義理の父・大田佑則(春海ゆう)。
  • 上田先生は正時を敢えて現代人に近い感性の人物として描いたそう。歴史物はどうしても心情理解が難しかったりするけど、確かに観客は正時と自分を重ねることで物語をより近く感じられように思った。
  • 出汁を"臭い汁"だと思って捨てようとしたり、大根を切る手つきも危なっかしい弁内侍に「炊事も板について来ましたな!」と笑顔で声を掛ける正行。嫌味ではなく素で言ってるから恐ろしい。正行は強くて賢いけど、どうやら空気は読めないらしい。キョトン顔やめい。
  • 旦那の下で働きたいと懇願するジンベエに、弁内侍の護衛を頼む正行。「護衛なら俺がやる!」と正儀が名乗り出るも、正時から「お前が横にいる方が危ない」と釘を刺される。クスッと笑えるやりとりが散りばめられていて、肩肘張らずにリラックスして観れるのも良い。
  • 近くの村人たちが米を持ってきてくれた。かつて父・楠木正成に助けてもらったお礼だと言う。そして宴が始まる。
  • 最初は強張っていた弁内侍の表情が、次第にほぐれていく姿にこちらも思わず笑顔になる。

 

  • 郎党の子供たちに厳しい稽古をつける楠木久子(香咲蘭)と、まんじゅうを与え可愛がる百合(海乃美月)。そこに吉野へ向かう一行と別れた正時が帰って来る。母と百合が心配しているだろうからと、正時だけ先に帰らす正行の優しさよ…。
  • 再会するや否やふたりだけの世界に入る正時と百合。お熱いふたりを見兼ねて、久子は稽古を無理やり終わらせふたりっきりにしてやる。
  • 正時は無事を喜ぶ百合に「約束してくれ、何があっても生きると」と優しく言う。察しが良い方はお気付きでしょう、これは死亡フラグです。(後述します)

 

  • 場面は変わり、吉野へ向かう楠木一行。正儀は岩場で休む弁内侍の横にぴったりと座り、「水、どう?」と声を掛けるも無視される。
  • それでもめげない鋼のメンタル正儀。足を痛がる弁内侍の草履を脱がしてやようと足に触れた途端「無礼者!」と払い除けられてしまう。
  • そこに正行が現れ、弁内侍の草履を脱がせてあげるが払い除けない。正儀が「無礼者やないの?」思わず突っ込む。いつのまにか無事正行ルートに突入していた模様。ドンマイ正儀。
  • きょとん顔のまま無言で手を差し出す正行と、水が入った竹筒を渡す正儀。兄の前では素直なわんこで可愛い。
  • 足の手当も自分でやると言う弁内侍に、「それにしても料理以外は何でもできる姫君だ」と言う正行はシンプルに失礼。
  • 弁内侍は過去を聞かれ語り出す。父・日野俊基北朝に討たれ、家も襲われた。母は弁内侍を守るために兄の骸の下に彼女を隠したが、弁内侍は母が嬲り殺される中何も出来なかったことを悔いていた。だから復讐のために生きていると。
  • それを聞いた正行は、あなたの母上はあなたに死んだ者のために生きるのではなく、親しき人と共に心穏やかに生きてほしいと願ったはずだ、わたしもそう願うと語ると、すかさず「兄貴、そういうのは2人のときに言った方がええで」と正儀が突っ込み笑いを誘う。
  • 河内弁で話す正儀とジンベエとは対照的に、武士として格好付けたいから訛りを出さない正行。本当は河内弁がペラペラなのを正儀にバラされ、弁内侍に本当なのですか?とキラキラした目でねだられる。その後躓いた弁内侍をエスコートしながら「ほな…行きましょか…」と小さな声で言う正行、照れて目を合わせないんですよ…本当に可愛い…弁内侍の正行パラメータも一気に上がったねこりゃ。

 

  • 上手に高師直と師直の弟、下手に足利尊氏と花一揆。師直が地位を欲する代わりに必ず楠木の軍勢を倒すと約束する。
  • ちなみに、"花一揆"て何ぞやと調べたら足利尊氏が集めた美少年軍団のことだそう。歴史は繰り返すと言うけれど、やっぱりジャニーさんみたいな人は大昔にもいたんだな…と思ったジャニヲタ。
  • その足利尊氏が正行たちが南朝側についていることを惜しがっているので、三兄弟も美しいことがここで裏付けられた。

 

  • 吉野にたどり着いた楠木一行。南朝天皇家と公家に戦勝報告をする。後村上天皇(暁千星)に褒美は何が良いかと尋ねられ、正行は北朝に遣いを送りたいと言う。
  • 正行は南朝は戦力が劣るため、戦い続ければ皆死んでしまう、生き残るために南北は和睦すべきと説くが、死なせないために戦うのがお前たちの仕事だ、和睦なんてあり得ないと怒る公家。
  • 後村上天皇のお気持ちを知りたいと訴える正行に「皆に死んで欲しくないが…」と本心を語り出し回想に入る。後醍醐天皇の命で南朝を守るために戦った日野俊基、北畠顕池、楠木正成が討たれ、最後には後醍醐天皇も倒れる。
  • この回想中、舞台中央でじっと前を見つめる後村上天皇と正行。ふたりとも微動だにしないどころか全く瞬きをしないから、これは回想なのだとすぐにわかった。
  • 父や犠牲者を弔うためにも、北朝を倒し京を取り戻すという念願を果たしてやらなければならないと、静かに涙する後村上天皇。皆に死んで欲しくないと願いながら、背負った宿命のために戦うしかないという葛藤からか。それにしても綺麗に涙を流すなと見入ってしまったシーン。

 

  • 如意輪寺の庭で語らう正行と後村上天皇後村上天皇の「幼友達を許してくれ」という台詞から、ここでは天皇武家の関係でなくあくまで幼馴染の対等な関係として話していることがわかる。
  • 庭には花がついていない木があり、「あと1ヶ月もすれば綺麗に咲く」と正行。
  • 後村上天皇中宮と弁内侍を庭に迎え入れ、正行に弁内侍と契りを交わすよう提案する。彼女を助けたのも何かの縁、嫌い合っていないなら良いではないかと。「はっ……」としおらしく返事をする弁内侍が可愛い。
  • つまり正行は、公家の姫君から想いを寄せられ、幼馴染(天皇)とその妻からも正行なら安心!後押ししてやろう!とお墨付きをもらった状態なのだ。身分を超えて信頼されていることがわかる。
  • しかし正行は、自分はいつ死ぬかもわからぬ身、彼女にはもう大切な者の死を味わって欲しくないと断り帰ってしまう。置いていかれた弁内侍の表情が切ない。

 

  • 場面は変わり、赤坂の楠木邸。そこに足利尊氏らが訪れ、北朝に寝返るなら今だと誘いに来る。百合の父と弟も北朝側に寝返ったと。
  • 百合は「裏切り者と言われても、共に生きたい」と正時に訴え、迷う正時。
  • 正儀も、南朝についていては褒美も出ず、忠義など食えないもののために死んでいくだけだ。北朝なら実力で武士として名を上げられると正行に訴える。
  • だが正行は南朝を裏切らなかった。お前たちは自分の道を選べと告げると、正時も正儀も兄について行くと心に決める。正時が北朝側につかず、百合は泣き崩れる。
  • ここで正行は、家名を守るためでも、地位や女を手に入れ欲を満たすためでも、南朝への忠義のためでもなく、自分は時の流れのために戦うのだと気づく。

 

  • 出陣式の前日、如意輪寺の庭で語らう正行と弁内侍。桜の木が満開であることから、縁談から1ヶ月余り経ったとわかる。
  • 弁内侍が恋をして、限りを知って見る桜の美しさは格別だと正行に話す。ずっと死んだ者のために生きてきた弁内侍に、今を生きる喜びを教えてくれたのは他ならぬ正行だった。
  • 弁内侍は戦う理由は見つかったのですかと問い、見つかった様子の正行を嬉しそうな顔で見つめる。すっかり恋する少女の顔だ。
  • 限りがあるからこそ共に今を生きようと言う弁内侍に心が動かされ、それに応える正行。弁内侍は愛おしそうに正行の胸に顔を寄せるが、目から涙が溢れている。想いが通じ合った喜びか、或いは迫り来る別れの寂しさからか。
  • 桜嵐記は終始お衣装が素敵なのだけど、特にこのシーンでは強いこだわりを感じる。正行は白地に黄緑の春らしい柔らかな色合いの着物、弁内侍は桜色の着物を纏っており、どちらもこのシーンでしか着ていない。最初で最後の2人の逢瀬を彩るお衣装。どなたが作られたのかなと調べたら、月雲の皇子の衣装を作られた任田先生が衣装監督をされていました。流石です。

 

  • そして遂に四条綴の合戦が始まる。
  • 正時は北朝側に寝返った百合の父と弟と戦う。そこで正時は、百合の父から百合が自害したと告げられる。自分が生きていては敵となった父と弟を斬ることはできないだろうからと、百合は自らの死を選んだ。
  • 序盤の「約束してくれ、何があっても生きると」という正時との約束を破ってでも、百合は正時を守り抜きたかったのかと思うと、あまりの愛の深さに涙が止まらなかった。
  • それを聞き、百合の父と弟に思い切り斬りかかる正時。そして百合の弟は「本当は姉上を助けるためにわざと別れたのだろう」と死の間際に確信を突く。正時なりに百合を守ったはずだったのが裏目に出てしまったのだ。こんな辛いことある?(ここでわたしの涙腺は完全に決壊し、幕が下りるまで泣き続けた)
  • その後正行と正儀に合流し戦う正時だったが、正行を庇い致命傷を負ってしまう。死にゆく正時を腕に抱く正行。このシーン舞台写真にもなっているのだけど、正時の表情がめちゃくちゃに綺麗なんですよ。
  • 『月雲の皇子』では死にゆく兄(珠城りょう)を弟(鳳月杏)が腕に抱く構図だったけど、今回は真逆。退団公演で過去作のオマージュを入れてくるの狡い。上田先生の手のひらの上で転がされるヲタクたち、息してる?
  • 正行は、兄弟皆死ぬわけにはいかない、お前はここを離れろ!と正儀を激戦地から離脱させる。正行は楠木の未来を正儀に託す訳だけど、現トップスターが次期トップスターに月組の未来を託すことに重なる訳で…泣くじゃんねこんなの…(さっきからずっと泣いてるよ)
  • 戦いの最中父と弟との記憶が蘇る正行。この回想シーン中は殺陣がスローモーションになるのだけど、殺陣って型が綺麗だとゆっくりでも美しいのだなと初めて思った。
  • 多勢に無勢で遂に倒れる正行。正行の最後を正儀が看取ろうとするも、最後くらい1人の女のために生きたいと乞う。死の間際になると人は後悔すると言うけれど、正行は命が尽きるまでの時間に、弁内侍との出逢いや、自分が生きる意味を知れたことに感謝したのではないだろうか。

 

  • 場面は変わり、物語の冒頭に出てきた老爺と老婆が話している。実はこの老爺こそ生き残った正儀であり、兄の真実の物語を伝えるために老婆になった弁内侍を訪ねてきたのだった。
  • 冒頭や中盤に出てきたときには標準語で話していたが、誰かが明かされるこのシーンでは河内弁に戻っている正儀。
  • そこに年老いたジンベエも登場。正行から弁内侍の護衛を命じられてから40年後も、彼は弁内侍の世話をしていたのだ。何たる忠誠心。

 

  • あの日もこんな風に桜が咲き誇っていた…と、物語は出陣式当日に戻る。
  • 吉野を発つ正行を走って追いかけ、倒れ込んでしまう弁内侍。覚悟を決めたのか正行は彼女のそばには駆けつけない。(或いは公の場であったため、身分の違いから駆け寄ることができなかったのか)
  • 後村上天皇は「戻れよ」と正行に声を掛ける。これは幼馴染としての言葉か。それに正行は一礼で応える。
  • 時系列通りなら正行が死んで物語が終わるところを、敢えて時系列を戻し全員が生きている出陣式の日を最後に持って来ることで、悲しくも晴れやかな気持ちで幕間に入ることができた。(マスクの下は地獄の様相だったが)

 

Dream Chaser

  • 幕が上がると三日月のセットの下にたま様(珠城りょう)が登場。まるで月の王子様。お衣装はスチール写真になっている白×ゴールドのもの。
  • トランペットのソロで始まるアップテンポなイントロ。そこはかとないアニメOP感。
  • 一昔前ならニコ動でDream ChaserをBGMに、アニメ『かげきしょうじょ!!』のMADが作られていてもおかしくなかったと思う。(世代がバレる)
  • それにしてもDream Chaserの中毒性よ。劇中で3回(4回?)歌うからかもしれないけど、終演後だいたい歌えるようになってるし、気を抜くと頭の中でたま様がAメロを歌い出す。
  • たま様は赤×ゴールドのお衣装にチェンジ。爽やかな王子様からこの世の全てを統べる王になる、凄い。右手人差し指に赤い石が入ったゴツめの指輪をしているのにドキドキした。

 

  • 上手に青×黒のスパニッシュなお衣装を纏ったちなつさん(鳳月杏)が登場。凄い!脚が2メートルある!!と興奮。
  • 白×黒のドレスのさくさく(美園さくら)と、水色×白のお衣装のありちゃん(暁千星)も登場。凄い!脚が2メートルある!!(ちなみにこの後も100回くらい脚長興奮ポイントがあるけど端折ります)
  • さくさくに一目惚れして奪いに行くちなつさんと、ちなつさんが気になり始めるさくさくと、離すもんかとさくさくに抱きつくありちゃん。情熱的なタンゴが似合う御三方。
  • あと『ピガール狂騒曲』の時も思ったけど、ありちゃんのターンは回転数やスピードに関係なくフォームが美しい。

 

  • 下手からありちゃん登場。ブラウンのサテンスーツにソフト帽姿。シンプルに格好良い。娘役2名と銀橋で踊る。
  • 紫のサテンスーツ×赤のシャツ姿のたま様、真紅のサテンスーツ姿のちなつさんも登場。たぶんタカラジェンヌにパーソナルカラーの概念はない。(顔がいいから全部似合う)
  • たま様とうみちゃん(海乃美月)のコンビも華があって素敵…と惚れ惚れしていたら、たまちな、たまありと男役同士がバッチバチのデュエットダンスを始めてビックリした。何だこの全カップリング見せたろかスペシャル。中村先生ありがとう。合掌。
  • ちなつさんとありちゃんがたま様に脚を絡める振り付けもなかなかに興奮したが、一番テンションが上がったのはたま様がありちゃんをリフトした瞬間。たま様に支えられて長い御御足を広げるありちゃんは神々しかった。(そろそろバレていそうだが、わたしは月組だとありちゃん推しです)
  • 観劇後、たま様が本格的なアルゼンチンタンゴを踊るのはこれが初めてと知り、嘘やん!となる。これが本当だから怖い。

 

  • ステージが迫り上がり、れいこさん(月城かなと)をセンターに男役7人が登場。
  • キラッキラのアイドル感にジャニヲタの血が騒ぐ。ペンライト欲しい〜〜!!!
  • 途中れいこのスーパーラップタイムあり。突然の宝塚ディビジョン。
  • めちゃくちゃアイドルっぽい!のだが、ジャニーズの曲じゃないのでわからず、後で調べたらK-POPと判明。2PMの『I'll Be Back』でした。

 

  • 鳴り響く尺八と和太鼓の音色。ポップスから突然和テイストに入るこのえげつない振り幅を俺は知っている…と再びジャニヲタの顔になる。(セクゾの民はウェルセクのNew Dayを思い出し、スノの民は滝沢歌舞伎を思い出すはず)
  • 青×ゴールドのお衣装。舞台装置と同じく、着物の帯の様なラインが入った和洋折衷なデザイン。
  • 銀橋に下手からちなつさん、上手からたま様、さくさくが入って行くのだけど、サビに入る前にちなつさんとたま様が向かい合って笑っていたのはマジで胸キュンだった…。(ちなみに、翌日のマチネではちなつさんともさくさくとも顔を合わせていた、たま様ハッピーセット)

 

  • 続いてはれいこさんのソロからスタート。白に黒のアクセントが入ったお衣装。たま様だけ薄紫のお衣装。皆んなが楽しそうに歌い踊る輪に入れないたま様、何だか不安で押しつぶされそうな表情。
  • それが一変して生き生きと歌い踊り出すたま様。やっぱりたま様は笑顔が一番だ〜!笑顔のたま様に合わせて、舞台に映し出された空に虹が架かる。

 

  • 真っ赤なドレスに身を包んだ娘役たちが登場。さくさくは真紅のサテンドレスで、スリット部分がシースルーになっていて色っぽい。
  • 娘役のロケットで気になる方を発見。序盤は中央左、移動後は下手から3番目にいらっしゃる方で、あまりの可愛さに2日連続で双眼鏡でロックオン。お名前をご存知の方がいらっしゃれば教えてください。
  • そして男役の皆様による群舞。黒燕尾で階段にズラッと並ぶ姿って何であんなにキュンと来るのだろう…。宝塚でしか摂取できない栄養の1つですね。
  • そしてトップふたりのデュエダン。冒頭の三日月の下で、黒燕尾のたま様と、薄ピンクのドレスを纏ったさくさく。たま様が月の王子様なら、さくさくは桜のお姫様だ…と感動した。
  • このドレスとっても素敵なのだけど、さくさくの腕が華奢なせいか脇〜二の腕に掛けての布がかなり余っていて、ジャストサイズにしたらもっと綺麗なのに〜!とヤキモキした。さくさくの身体のラインは至高なのでピッタピタにして欲しい。(強欲)
  • デュエダン後のたま様と男役の2ショットシリーズも良かった!るうさん(光月るう)が汗だくのたま様の額をチーフで拭くシーンでは、るうさんの母のような優しい目とバブみのあるたま様が味わえるから最高だァ…。(翌日のマチネでも同じ感じで拭いていらっしゃったので恒例の模様。絶対観てくれよな!)
  • そしてフィナーレ。初めて大劇場でフィナーレを体験して思った、めちゃくちゃ忙しい。拍手したい気持ちと双眼鏡でしっかり表情を観たい気持ちがせめぎ合い手元が落ち着かない。だがそれこそが現場…と現場の楽しさを改めて噛み締めるのだった。

 

以上、『桜嵐記|Dream Chaser』の感想でした。長々書いたけど、一言で言うならばあと100回観たい。たまさくForever。

 

 

おまけ

翌日29日のマチネも観劇予定だったので、ちゃっかり宝塚ホテルのレビュールームにも宿泊。

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トップスターのお写真や小道具が展示され、ずらりと宝塚の書籍が並び、SKY STAGEもタカラヅカオンデマンドも見放題。そして窓から覗く宝塚大劇場、高い天井とシャンデリア、大きなベッド、女優ミラーで気分はまさにお姫様である。

翌朝までどっぷり宝塚に浸かれるこのお部屋、なんと友の会価格で1泊3万円ポッキリでした。ありがとう阪急…もう君以外愛せない…(それはKinKi Kids)

SexyZone『SexyZone Anniversary Tour 2021 SZ10TH』5月16日夜公演の記録

コロナ禍でツアーが中止になり、会場で観ることが叶わなかった『POP×STEP!? TOUR 2020』から1年。

SZ10THは宮城と新潟公演が当選したのだが、3月頭に緊急事態宣言が延長され宮城公演は中止に。新潟公演はどうにか中止にならないで…と祈る日々だった。そして遂に訪れた5月16日、念願の初参戦となった。

 

以下、コンサートの感想。所々記憶が飛んでいるのはご容赦ください。セトリネタバレ注意。

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座席について

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A〜Dブロックは勾配なしの平面、Eブロックは1列目から高さがついていてスタンド様になっていた。Eブロック前に広い通路があるからバクステからEブロックはやや距離感あり。

上図の白い正方形はリフター位置。センステ寄り2台とバクステ寄り2台。バクステ寄りのうち1台はD6ブロック17列の真横だった。センステ寄り2台の位置は曖昧。

ちなみに自席はD6ブロック最後列で、花道とリフターは目と鼻の先、センステは遮るものがなくてかなり見やすかった。代わりに、バクステは近いけどほぼ真横、メンステは前の人の頭に被ってしまいかなり見づらかったのでレポ内容に偏りあり。ご容赦ください。

 

~オープニング映像~

白髭のおじいちゃんが小さな子どもに物語(Sexy Zoneの歴史)を読み聞かせていると、子どもが「5人は今でも仲良し?」と問いかけ、おじいちゃんが微笑みながら頷く。

今回のツアーは10年の歴史を振り返る構成なのだが、マリウスは休業中のため参加していない。冒頭で「5人の今」に触れて安心させてくれるSexyZoneについ目頭が熱くなったよね…(実際は秒で泣いた)

1.LET'S MUSIC

メインステージ中央に4人揃って登場。MVの"勝利くんがジャケット着ずに登場→慌てて聡ちゃんがジャケットを着せる"の下りはカット。

衣装はカラーも柄も全員バラバラで個性的。風魔くんは緑、勝利くんは黄色、聡ちゃんは青、健人くんは赤と黒のダイヤ柄で主張強めなのがらしくて良かった。

2.Celebration!

階段を降りてきてセンステへ。

3.ROCK THA TOWN

曲の直前でスタッフさんがリフターに手すりを取り付けるのだけど、この瞬間一番近いリフトまでおよそ4mとわかりクラクラした。引くほど近い。センステからリフターに向かってくる勝利くん。息を呑む両脇の勝利担。

リフターに着くと敢えて客席に目線を送らず、歌い出しから終始クールな表情で顎でリズムを刻む勝利くんは「良いから黙って俺を見ろ」って感じだった。

実際、正面から観た勝利くんも、リフトが上昇しあおり構図で観た勝利くんも美しすぎて絶句した。死角がない。動く絵画。あととんでもなく小さい顔にとんでもなく長い脚がついてた。

と思っていたら、大サビ前の ♪踊れParty people〜 歌い終わりでリフター正面にいた子に狙い撃ちファンサをキメたので、こ、こやつ懐にハンドガンを隠し持っておった…!と心の中で沸いた。ブラボー。

ちなみにリフターの配置はこんな感じ。

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曲終わりで全員バクステへ移動。この際目の前の花道を健人くんが通過。背中に薔薇背負ってるように見えたよ、マボロシ〜!

4.NOT FOUND

バクステで披露。健人くんの立ち位置が上手端で自席から一番近かったのだけど、振り付けで顔を横に向ける一瞬すらも客席に目線を送ってくれて、今健人くんの視界に入っている…とドギマギしていた。存在がファンサ。

5.極東DANCE

曲終わりにSexyZoneが捌けると、メンステから客席に向かってレーザービームが出た後、和装でお面を付けたJr.たちが花道やメンステを駆け回る。これはもしや…と思っていたら、メンステのスクリーンにPOP×STEP!? ツアーのステージセットが映し出された。

ここからは過去のツアーを再現していくという構成。古参も新規も嬉しい粋な演出をしちゃうのが菊池風磨という男なんですよ。サイコーだよね。

衣装は紫のキラキラロングコート。ファー付きで重厚感が凄かった。ザ・王子様っぽくて良い。

6.麒麟の子

7.恋がはじまるよーー!!!

2019年 PAGES 再現。スクリーンにPAGESのブック型スクリーンが映し出され、ツアータイトルが出る。

メンステの上からランドセルが降りてきて全員装着。PAGESの時と同じく健人くんが赤、風磨くんが緑、勝利くんが青のランドセルを背負い、PAGESでマリウスが背負っていたオレンジのランドセルを聡ちゃんが背負っていた。じーん。

ただ今回は小学生風コスチュームでなく、キラキラ王子様コートの上からランドセルを背負っているので見た目がオモシロイ感じになっていた。可愛いからオッケー!

8.チクチクハート~beating beating~

学校のチャイムのSEが鳴ると、「キーーーン!」とアラレちゃんの真似をはじめる聡ちゃん。あなた平成生まれよね??急げ急げとメンステ下手に並ぶ学校机へ。

PAGESの時と同じく学校机に座ってノートを使ってダンス。この時、メンステスクリーンの左側にPAGES、右側に今の映像が映し出されるんだけど、PAGESの映像と同じ画角になるようオンタイム映像のカメラが切り替わっていくの凄かった。

あと大サビ前の ♪僕じゃダメかな〜 で勝利くんが「僕じゃ、ダメかなぁ〜〜〜!!?」と叫んだので、心の中で「勝利くんがいい〜〜〜!!!」と叫びました。

9.Unreality

2018年 repainting 再現。スクリーンにAIのMariが登場。風磨くんがMari(CV:マリウス葉)に「Hey,Mari」と呼びかけ、Mariが応答するシーンもしっかり入っていてヲタク歓喜

あとMariの台詞が使い回しではなく、録り下ろしのように感じたのだけど…実際はどうなんだろう?真相は円盤が出たら確かめる。

10.キャラメルドリーム

2017 STAGEと同じく、スクリーンに某カメラアプリ風にネコ耳などが映し出され、メンバーがそれに合わせ顔をはめる演出。終始スタンプにピッタリ顔をはめる風磨くんと、横を見たりと忙しくて全然綺麗にはまってない健人くんは、どこまでも「逆」なんだなと思った。

あと、聡ちゃんが ♪散らばった言葉の海〜♪小さな可愛いしょり♡ て歌っててしょりそう…!ってなった。(実際勝利くんは171cmある)(可愛いのは本当)

11.カラフルEyes

12.Hey you!

メンステから4人が下手側花道でバクステに移動。

13.ぶつかっちゃうよ

2014 Sexy Second 再現。バクステで披露。健人くんの「好きだ、バカ」の言い方きゅるるんとしてて可愛かった。えへへ。

あと朱鷺メッセに掛けて「ときめきメッセ!ときめいてますかッ!」と大真面目に煽る健人くんは、 ♪ぶつかっちゃうよこのまま〜♪ときめいちゃうよこのまま〜 と替え歌してて可愛かった。

わたしはファン投票でもこの曲に入れたくらい好きなので、セトリ入りして本当に嬉しかった。Hey you!からぶつかっちゃうよの流れが一番元気にペンラを振った気がする。

14.君と…Milky way

ここで事件発生。健人くんがメンステでピアノを弾き語り、3人は花道に散って歌唱するのだが、勝利くんが立ち位置を間違える。

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おそらく本来は上図の通り聡ちゃんの対メンに来るはずなんだけど、何故かRTTのリフター位置に戻って来てしまい本人もパニックに。イントロの間中ずっと「俺どこ?どこ?マジ??」とキョロキョロ、立ち位置を間違えてたのに気づいた風磨くんが爆笑。まさかの下手がノーセクシー。

それでも歌い出したらパンっとスイッチが入る勝利くんはやっぱりプロなんですよ…。ラッキーパンチでもう1曲勝利くんを間近に見られて幸せでした。

 

15.Slow Jam

16.タイムトラベル

2曲続けてセンステ。ステージが8の字に動き出した時は、POP×STEP!?で観たやつだ!とテンションが上がった。

演出をステージ上空の電飾だけに絞ったのが、忘れられない恋を歌った曲の儚さを助長していてとても良かったなぁ。電飾はクリスマスツリーのような形になったり、螺旋を描いたりでとても綺麗だった。(aikoが好きな人なら観たことあるってなるやつ)

あと、キラキラロングコートを脱いで白パフスリーブシャツ+淡紫ベスト姿になるんだけど、これがもう完全に王子様なのよ…みんなスタイルが良いからどえらい似合う。とっても素敵だった。

 

PEACH for~

映画の特報風ムービーが流れる。

ど頭からもふもふの犬耳をつけてクリームをペロッと舐める勝利くんが登場し悶絶。発案者誰だよ、風磨くんなのか?最高か??

続いて風磨くんの「嫌い?そんな訳ない…好きだよ」で声が漏れそうになる。猫足のバスタブが似合うなおい。聡ちゃんが「本気の恋、俺としてみない?」で、プラチナフロントな健人くんが「顔赤いよ…恋しちゃったの?俺に」

そしてステージにスマフォを持った健人くんが登場。この映画観たくない!?と客席を煽る。円盤の特典で映画本編付けてくださいと思いながら全力で拍手した。

スクリーンに表示された映画の来場者特典という体のQRコードを読み取ると、スクリーンがゲームの画面に切り替わりキャラクター選択へ。今回選ばれたのがまさかの激レア・蓮城寺紫苑(菊池風磨)。

メンステに紫苑様が登場。「Peach4の圧倒的Flowerプリンス蓮城寺紫苑様だ〜!」「あの花沢類の後継者!」と健人くん大興奮。声を出せないヲタクの分まで興奮してくれてありがとうね。

そしてゲームは"糖度"の選択画面へ。せっかくなら一番アツイ時期が良いよねと健人くんは"恋仲"を選択。

続いてシーン選択画面へ。 "A:おやすみと言ったあとの一言" "B:クレープを食べていたら口にクリームが付いた時の一言" "C:終電を逃した後の気まずい空気をアツくする一言" "D:渋谷でデートをしていたらスクランブル交差点で彼女を見失った時の一言" で、健人くんは「新潟のみんなにも都会のデート気分を味わってもらおう!」とDを選択。シンプルに失礼。

そして紫苑様の回答は「ちょっとどこ行ってんの、こっちおいで。すぐはぐれるんだから。きみ何型?だからだよ…え、俺?新潟」とまさかのギャグ落ちにも関わらずゲームClear。

17.PEACH!

白シャツにショッキングピンクのスーツ姿で登場。3年前のライブではふわふわのファーがついたキュートなベビーピンクの衣装だったPEACH!を、敢えてシンプルで大人っぽくキメてきた。最高!

メンステから花道に散っていくメンバー。目の前の花道に聡ちゃんが来て1人も物凄いスピードで一帯の松島担にファンサをするも、わたしと同じ列にいた6歳くらいの小さな女の子が自分にファンサされていると気付かず。すると聡ちゃんがキミだよ!と女の子が気付くまで両手でがっつり指差しして、女の子が反応するとありがとうねとくしゃっと笑いながら手を振り去って行った…聡ちゃんの神対応っぷりを目の当たりにしてしまい、こんなのもっと好きになっちゃうよ…と頭を抱えた。

風磨くんは肌が白すぎてライトが反射しててお顔が発光してた。セルフレフ板。

あとこの曲か記憶が定かじゃないのだけど、健人くんが目の前の花道を猛スピードで通り過ぎて行き、階段を降りてEブロック前の通路へ。聡ちゃんのファンサがマシンガンならなら、健人くんのファンサは戦車。一振りでブロック一帯を焼け野原にしていく感じだった。

 

~MC~

  • 聡ちゃん初新潟。おめでとう〜!
  • 1日でカレーライス、カレーそば、ラーメン、ラーメンを食べた勝利くん。わんぱく勝利だね、と言われ、でもちょっとずつね、と照れ笑い。
  • 新潟県ゆるキャラ「レルヒさん」のことをずっと「ヘイホー」と呼ぶ聡ちゃんと、「レルヒさん」の名前を絶妙に間違い続けるセクシーたち。(客席は声が出さないから間違っていることを伝えられず悶絶していた)
  • レルヒさんのカレー納豆のパッケージが大きくて長方形なことを伝えたくて、iPhone12 Pro Maxに例えるけんそうちゃん、現代っ子が過ぎる。
  • 風磨くんからスマフォでドラマ『山田太郎ものがたり』を観ていたことを暴露された聡ちゃん。

ここからジャニーズ主演ドラマの話題に。

  • 聡ちゃんが山田太郎ものがたりはリアルタイムでは観てなかったと言うと、俺は観てたよ!とアピールするも誰にも拾われない勝利くん。
  • 聡ちゃんがリアルタイムで観ていたのはルーキーズや野ブタ
  • ふまけんが修二と彰をやるなら…と突然聡ちゃんがジャニヲタモードになる。敢えて修二が風磨くん、彰が健人くんがいいと言うと、3人から逆でしょ!と突っ込まれる。(わたしは聡ちゃんと解釈一致)(メンバーは健人くんの方が人気者の修二っぽいと言っていたが、器用貧乏な修二は風磨くんなんだよな〜と思った)
  • ごくせん、ドラゴン桜有閑倶楽部、マイ☆ボス マイ☆ヒーロー、仮面ティーチャーなど懐かしいドラマタイトルが出てくる。NEWS、KAT-TUN、Hey!Say!JUMPの時代だったねと。
  • 聡ちゃんが今後やってみたい役柄は?と聞くと、間髪入れず「長澤まさみちゃんと共演したい!」と答える風磨くんと、「(SUMMER NUDEで)共演してます!月9ってるんで!」とドヤる勝利くん。
  • そして「Death Note夜神月がやりたかった」「ドラマ化が決まった時は悔しかった」とジャンプ育ちのヲタクの顔を出す健人くんに「永遠の厨二病」と風磨くん。
  • そう言えば次のドラマ昔は太っちょの役なんでしょ?どうするの?と特殊メイクをするのか聞きたかったぽい聡ちゃんに、「俺小学生の頃は太っちょだったけど、それがこうなる」「厨二病だけど」「ブルーアイズ80枚飾ってるけど」と返事する健人くん。話が噛み合ってない。
  • 聡ちゃんは『あたしンち』みたいな話のドラマに出てみたいと。(ほのぼの系絶対似合う!)
  • 山田太郎ものがたりに自分が出るなら」と風磨くんに聞かれ、「背伸びをするなら櫻井くんの役がやりたい」と答える聡ちゃん。
  • 健人くんに「青野くんと赤野くんなら?」と振られ、「青野くんと赤川くんなんです」と訂正するも「ん?いや黒青野くんなのか…?」と混乱し出す勝利くん。ややこしいよね。
  • 青野くん〜にえっちなシーンがありますか!?と食い気味で聞き出す風磨くん。まだ何も始まってないからわからないと答える勝利くん。
  • 衝撃的なシーンがあっても「全部監督のせい!」

ここでJr.SPが登場。

  • 自己紹介していくも、メンカラと着ている衣装の色がちぐはぐでわかりにくい!と風磨くんの指示でその場でジャケットを交換させられる。
  • 中村浩大くんのメンカラは緑なのだが、A.B.C-Zのお下がりのため緑が無く、最初着ていた紫→余った赤を着ることに。
  • ここで風磨くんから「お前赤似合わね〜!」といじり倒される浩大くん。おかげ様でしっかりメンカラ覚えて帰ってきたから風磨くんの計算なんだな…と思った。

★センセーション(Jr.SP)

メンステから左右の花道を通ってバクステで終わるのだけど、歌終わりで自席の真後ろをいそいそと捌けていく姿がとっても可愛かった。みんな手を振ってくれて愛想が良い。

 

18.Why?

センステ。途中BON BON TONIGHTの様にかがんでから腰を真上に突き上げる振り付けがあって、フォーーーー!と心の中で叫んだ。聡ちゃんが盆茶やりたがっていたからこの振り付け入れたのかな?

衣装は大きめの尖った白襟の紺ジャケット、首から下げた長めの白ストール、濃ピンクのパンツ姿。正装に近い形でピシッと決まっててちょ〜格好良かった。

19.My Life

センステ。歌割りが天才だった。Aメロ聡→Aメロ勝利→Bメロ風磨→サビ健人なんだけど、おかげさまで勝利くんが ♪さざ波 HにRhythm刻む を歌いました。たぶん天国でジャニーさんが「You!勝利に変なこと言わせないでよ!」って風磨くんに怒っている。

20.CANDY~Can U be my BABY~

バクステ。でっかいキャンディを持ったJr.ちゃんたちも登場。かつてはあのポジションをじぐいわがやっていたのやっぱり凄い。

Love Kenty! Love fuma! Love Shori! Love So-chan! と4人分コールがあったの良かったな。勿論声には出せないので心の中で絶叫してた。今回のコンサートで声が出せなくて一番辛かったのはここかも。

あと  ♪敵わない まぶしすぎて〜 を歌う勝利くんは間違いなく誰よりも眩しかった。

大サビ前にセンステに移動し各自メンカラのキャンディをゲット。そして健人くんが「オレンジのキャンディもあるよ!」と言うと、スクリーンがセンステ真上のカメラ映像に切り替わる。すると円形のセンステが1つのオレンジのキャンディになっていて、その上で4人が笑顔で手を振ってる画の多幸感たるや…。この演出凄く好き。

21.Mermaid

メンステ。歌い出しの ♪久しぶり ちょっと照れるね〜 の風磨くんの歌い方がセクシー過ぎて滾っちゃったよね…。目を細めて顔クイッてするのずるい。屈服。

♪砂浜に書いた2文字は言えないまま 消えたけど〜 と健人くんが歌った途端、頭の中で砂浜に「スキ」って書いてるラブホリ王子様が再生されたし、勝利くんが ♪So 絶対君を幸せにするから〜 を歌ってしょりそう…!ってなった。

ここまではいいんだ、問題は大サビ。健人くんが柿の種のぬいぐるみ(デカすぎてバゲットかと思った)、風磨くんがレルヒさんのぬいぐるみ、勝利くんがおにぎりのぬいぐるみ、聡ちゃんが水鉄砲をゲット。

何やらふまけんがゴソゴソし始めたと思いきや、ぬいぐるみをつめて巨乳になりランウェイを始める健人くんと、ズボンのファスナーを全開にしてそこからレルヒさんの顔を出し腰を振り続ける風磨くん。これは酷い。

おにぎりを放り出しどこからかモップを持ってきた勝利くんが、風磨くんの股間を自主規制する事態に。そして曲終わりに「Mermaidを大事にしてくれ!!!」と絶叫する聡ちゃん。そりゃそうなる。

 

22.RIGHT NEXT TO YOU

23.So Sick

2曲続けてメンステ。下手で勝利くんがアコギ演奏。

24.名脇役

メンステからリフターに移動。配置はこんな感じ。

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今度は聡ちゃんが目の前に。二挺拳銃の聡ちゃんも、バラード曲とあってファンサはやや抑えめ。

個人的に、名脇役では ♪もしも親友に抱く感情が好きに近い が本当だとすれば 君は僕を…という聡ちゃんのパートが一番好きなんですけど、目の前で歌ってくれて感無量でした。

あと自分のパート以外もずっと慈しむように口ずさんでいて、今このステージに立てている喜びを噛み締めている聡ちゃんの笑顔は聖母のようだった。あとファンサは抑えめと書いたけどめちゃくちゃ目線合わせに来てくれる。凄い。

衣装は背中にSexyZoneと書かれたキラキラのMA-1だった。左腕のジッパー部分?にピンクとブルーの長めのリボンが付いてて可愛かったな。

25.all this time

マリウスのソロ曲ということで、イントロが流れ出すと皆ペンライトをオレンジ色に。そしてその様子を聡ちゃんが凄く優しい表情で見つめてて。マイクを通さずにありがとうって何度も言うの反則だよ…思わず涙目になってしまった。

曲の途中でセンステへ。大サビでメンステスクリーンにPOP×STEP!?のall this timeの映像が映し出されると、まるで4人がマリウスを迎えに行くようにセンステからメンステに移動。そして曲終わりにスクリーンに映る「Best Friend by Sexy Zone」の文字を見て泣いた。

 

26.Cha-Cha-Cha チャンピオン

ここからは歴代シングルメドレー。メンステ上に各MVの衣装を着たトルソーが登場して衣装展みたいだった。本人たちは白い衣装にチェンジ。ここからずっとメンステなのでアリーナ前列大勝利。

27.男 never give up

いいおとこのとし…でお馴染み、健人くんのマイバースデー動画内で突然振りつきで歌い出すから今回やるのかな〜と思っていたら案の定やった。

28.King & Queen & Joker

29.バィバィDuバィ~See you again~

30.Sexy Summerに雪が降る

健人くんが上手ピアノで弾き語り。

31.Lady ダイヤモンド

32.Sexy Zone

ファーストコンサートのステージ再現で、5人の肖像がスクリーン上部に映される。ライトもマリウスの分まであって嬉しくなった。

4人はいつもの赤薔薇ではなく、それぞれメンカラに光る薔薇を持って踊るのだけど、客席のペンライトを模しているみたいで素敵だったな。

 

~挨拶~

  • 健人:ハッピーでしたか?こうしてライブという時間を共有できること、健康であることに感謝しています。音楽を通じて元気を交換し合っていて、セクラバは元気の源です。皆も同じ気持ちですか?ありがとう。
  • 勝利:この10年間色々あって、楽しいことだけじゃなくて皆に不安や心配を掛けてきたけど、それでもみんなが諦めずに力強く応援してくれたから、今僕らはこのステージに立てています。今度は5人でこの景色を見せられたらな。
  • 聡:楽しかったですか?3年ぶりのライブ、この景色をまた見れると思ってなかった。人生、決断に迷ったりする時もあるけど、僕は近くのメンバーやスタッフさんのおかげで苦しくなく、楽しく安心してアイドルができています。復帰したことは後悔していません。
  • 風磨:今回色んな課題がある中でやってきて。皆を笑顔にしたいと思いながら、笑顔にしてもらっていて。皆は僕らの誇りだし、支えだし、家族です。SexyZoneを元気にしてるって自負を持ってね。これからも突っ走っていきます。

 

33.RUN

バクステ。ふまけん背中合わせの時、健人くんが上手側なのでがっつりこちら側を向いてくれて興奮。

あと目の前の花道を健人くんが走ってきて一気にテンションが上がるも、ちょうどわたしがいるあたりでLady ダイヤモンドの振り付けの如く直角に曲がって行ったのには思わず笑ってしまった。

34.Change the world

センステ。ステージが上昇し時計回りに回転。

曲の途中で風磨くんがじっとこちらの方に目線を送ってくれて、視界に入って嬉しいな〜と見つめていたら、いきなりスッと真っ直ぐ指さされて。まさかと思ってペンライトを振って反応したら、指差したままうんうんってゆっくり頷いてくれて。

その間は耳に音が入って来なくなって、風磨くんとわたしの間が開けて光で繋がっているような不思議な感覚に陥った。体感5秒くらい?

そして時を同じくして、隣で10×50のでっけぇ双眼鏡(一般的なサイズの3倍くらいある) で覗いていた妹から奇声が漏れた。後ほど答え合わせをしたら、同じタイミングで風磨くんがずっとこっちを見ていたと。

正直これを機に風磨くんのことをめちゃくちゃ意識してしまっている自分がいます。(チョロヲタ)

 

~アンコール~

35.Twilight Sunset

メンステ。団扇もペンライトも置いて手拍子するように健人くんから言われて素直に従うセクラバたち、めちゃくちゃ統制が取れていて良かった。

最初はなんで手拍子?と思ったけど、スクリーンに映し出される夕日と手拍子の光景が、野外フェスそのもので凄く綺麗だった。いつか本当に野外でやって欲しい。

♪今すぐこの瞬間を閉じ込めてよ どうか Twilight Sunset という切ない歌詞が、終わりゆくこの楽しいひと時を締め括りに相応しかった。

そして最後の「We are SexyZone!」では、みんなはSexyZoneと叫ぶ代わりに、パンッ(セク) パンッ(シー) パチパチパチパチ(ゾーーーン)と拍手してね!と言われる。そして一発で綺麗に揃うの、やっぱりセクラバは統制が取れているな。声が出せなくとも、出来る限りいつも通りにやってくれるのは嬉しいなと思った。

 

以上で約2時間10分の公演は終了。色んな界隈に片脚を突っ込んでいるけど、こんなにも「気づいたら終わってた」という言葉がピッタリなライブは初めてかもしれない。体感1時間もなかったよ。本当に本当に楽しかった。

どうかこの楽しい時間が、北海道、福岡、宮城と無事に紡がれますように。

そして今回のオチ。実はMCで「マスクとフェイスシールド両方してると熱いよね、熱中症に気をつけてね」というくだりがあったのだが、ライブが終わって数時間経っても顔がのぼせてるな〜と思ったら鼻血が出て熱中症だと判明。これから暑くなるので、現場でフェイスシールドを着用する方はくれぐれもお気をつけください。

 

 

'21宙組『夢千鳥』5月8日ディレイ配信の記録

緊急事態宣言の発出で、たった4日間だけの上演となってしまった夢千鳥。

和希そらがトップスターになった日には、あのバウ公演は素晴らしかった…!とヲタクが嬉々として語る姿が目に浮かぶ作品だった。(頼むから円盤化してくれ~!)

素晴らしい作品を語り継がなければ・という気持ちで配信の感想や考察を書いていく。

 

あらすじ

昭和の映画監督・白澤優二郎(和希そら)が大正の竹久夢二の人生を描くうちに、白澤の中で自己と夢二の境界が曖昧になっていくお話。

徐々に時代の切り替わりがわかりにくくなっていく見事な演出と、一人二役の見事な演じ分けが段々と曖昧になっていく和希そらさんの演技力があって成り立つ作品だと感じた。

 

印象的なシーンと考察

夢二と鳥

今作では、物語の随所で鳥のモチーフが出てくる。他万喜(天彩峰里)が飼う小鳥、舞い散る座布団の羽根、彦乃(山吹ひばり)が読み聞かせるメーテルリンクの「青い鳥」、巨大な鳥籠を模した舞台装置。

夢二にとって「鳥」って何ぞや・と考えていたらこんな詩を見つけた。

あなたの心は 鳥のやう

涯のしれない 青空を ゆきてかへらぬ 鳥ならば

私の傍へ おくために 銀の小籠に 入れませう。

竹久夢二「青い小径」−あなたの心

これぞまさに籠の中の鳥。夢二にとって「鳥」とは愛する人の心の象徴だった。

あと、身近な幸せに満足できず理想を追い続けてしまうことを「青い鳥症候群」と言うそうだ。他万喜が傍にいながら、たくさんの女と恋をした夢二のためにあるような言葉だと思った。

 

赤い羽根と白い羽根

  • カッとなり他万喜に刃物を振りかざす夢二。咄嗟に座布団で身を守ると、中から赤い羽根が飛び散る。流血を赤い羽根で表現するのとっても良かった…)
  • それから、白澤の内縁の妻であり、彼の映画の中で他万喜を演じる赤羽礼奈(天彩峰里)に至っては、名前が「赤羽」な上に衣装も真っ赤。
  • 作中で夢二は彦乃に「僕の青い鳥は彦乃だね」と言うが、彦乃が夢二の元を去る時には白い羽根がひらりと舞い落ちた。心の底では彦乃のことも青い鳥だと思っていなかったと推察できる。
  • 前回『月雲の皇子』の考察でも色にまつわる話を書いたが、赤と白は対となる色であり、赤には血や暴力性、白には無垢や神聖性といった意味合いがある。他万喜には日常的に暴力を振るう一方、彦乃とは「ままごとのよう」と揶揄される生活を営んでいた夢二。正反対の関係性が羽根の色にも表れている。
  • ポスターにある黄色はお葉(水音志保)の象徴か。ただ、黄色は赤とも白とも対にならない色である。夢二にとってお葉は、他万喜や彦乃と同等の存在ではなかったのかな・とも思った。(お葉パートがあっさりしていたのも相まって)

 

愛とは何か?

最後のご挨拶で、和希そらさんが今作のテーマは「愛とは何か」だと仰っていた。今作を通じて考えたことを書いておく。

  • 人は、過去の成功体験によって自己肯定感が高まるという。そして幼少期に親から無償の愛を注がれることは、最初にして最強の成功体験だと言える。顔がいいとか、勉強ができるとか、社会の役に立つとかそんなこと関係なしに、ただ自分が生きているだけで喜んでくれる人がこの世に存在することを知っていることは何にも勝る。
  • 夢二はこの逆で、人生の基盤になる成功体験に乏しい。幼少期に所謂「毒親」の元で育ち、心の拠り所にしていた姉も嫁いでしまい、得てして自己肯定感が育まれないまま大人になってしまった。だから売れっ子画家になろうとも自分を亜流画家だと卑下し続けた。
  • 終盤、夢二への台詞に「自分を愛しておやりなさい」とある。前述に当てはめて考えるなら「自分、生きてて偉いな〜!」と心の底から思えるようになりなさい、ということになる。

つまり、愛とは自己や他者が生きていることを手放しに喜べることではないだろうか。だから本当は、他万喜も彦乃もお葉もみんな、夢二にとっての青い鳥だった。運命の人はずっとそこにいたのに、夢二は愛を知らなかったからそれに気付くことができなかったのではないだろうか。

 

その他、印象的なシーン

和希そらさんと天彩峰里さんの演技に圧倒された今作。最後に印象的なシーンを掻い摘んで。

  • 冒頭のソラカズキのアナウンス。普段は凛としたよく通る声なのに、敢えて陰のある少しくぐもった声で話すことで、これから始まる物語への期待感がグッと高まった。
  • 他万喜がまるで絵からそのまま出てきたように美しくてクラクラ。妖艶ってこの人のためにある言葉だなと。
  • 優二郎を取り巻く女優を使って映画を撮るよう話す社長に対して「提案があるって言いましたよね?」と言い返した優二郎の顔が最高。やってくれたなこのタヌキ爺め…と顔に書いてあった。顔が綺麗な人のイライラしてる顔って何故あんなにも刺さるのだろう。(ユーリーに想いを馳せながら)
  • 今作は敢えて舞台装置を最小限にすることで、大正と昭和のスイッチが段々と曖昧になっていく様子を見事に演出していた。バーでうたた寝したと思ったら時代が入れ替わっていたり。
  • 夢二と他万喜のDVタンゴ。夢二と他万喜の歪な関係性を語るに必要不可欠なDVシーンをタンゴにすることで、胸糞悪くなるどころか美しいワンシーンに昇華した演出は特に素晴らしかった。(他万喜を折檻することで創作意欲が湧く夢二には流石に引いた)(苦しむ他万喜を熱い目で見つめながら筆を進める和希夢二の演技は最高でした)
  • 彦乃と初めて話した夢二が「大きい声、出るねぇ」と優しく微笑む姿は、さっきまで他万喜をぶん殴って首を締めていたとは思えない爽やかさ。こんな顔された好きになっちゃうよね〜わかる〜!
  • 彦乃の親に、夢二と彦乃の結婚を直訴する他万喜の形相には鬼気迫るものがあった。他万喜の「もっと狂って、私に狂って」「どこへ逃げたって私の愛からは逃れられない」という狂気じみた台詞の説得力がここに詰まっていた。
  • 対照的に、真っ白なキャンバスのように純粋で穢れを知らない彦乃。恋に恋した夢二が彼女に惹かれてしまうのも納得。あとSplendidの曲がとっても可愛かったな。
  • 長崎まで病に伏せる彦乃を迎えに来た父親。あくまで絵の勉強に彦乃を出しただけというスタンスを貫く父親からは、ふたりの関係は家族ごっこでしかないことが伝わる。
  • 夢二がお葉に掛けた「清い気持ちで生きていれば過去はすっかり許される」という言葉は、他万喜や彦乃を心から愛せなかった自分への免罪符でもあるのかなと思った。
  • 最後、鳥籠を模した舞台装置の扉が開くが、これは束縛してきた鳥(女性たちの心)を解き放つとともに、自分自身をやっと赦してあげられたのかなと解釈しました。
  • フィナーレが豪華すぎてびっくりした。一本ものでこんなにボリュームがあるなんて!良いのですか!衣装も沢山で見応えがあった。ソラカズキのしなやかダンスと素晴らしい歌声が堪能できて合掌。
  • 人物像の丁寧な掘り下げ、緻密な演出に加えて、主演を一際輝かせるフィナーレ構成。今作でバウホールデビューって本当??と目を疑ってしまう見事な作品でした。栗田先生のショー作品が今から楽しみです。

 

最後に

確実に伝説に残るであろう今作を、ディレイ配信のおかげで観ることができて良かった~!と思う一方で、貴重なチケットを手にしていたのに劇場で観ることが叶わなかった方や、稽古に励んできた生徒さんのことを思うと胸が痛い。

一刻も早く、「明日は幕が上がらないかもしれない」という不安のない世の中に戻って欲しい。Life is in the theater. 

'13月組『月雲の皇子-衣通姫伝説より-』の記録

来る5月、遂に月組『桜嵐記』で初のムラ遠征が決定。

これはしっかりお勉強して臨まなければ…!ということで、作・演出をされる上田久美子先生のデビュー作にして、珠城りょうさん主演の『月雲の皇子』を鑑賞した。

観終わるや否や、例の月組贔屓の友人に長文で考察を送り付けるという大迷惑行為を行ったのだが、それでも気が済まなかったので以下に書き留めておく。

 

あらすじ

本作は古事記日本書紀に残る『衣通姫伝説』の行間を描いていた作品なのだが、そもそも古事記日本書紀では登場人物は同じでも物語の結末が異なる。

同母兄妹とされた木梨軽皇子衣通姫が禁忌である姦淫を犯したため、允恭天皇崩御した際に弟の穴穂皇子が即位するまでは同じ。

712年に編纂された古事記では、伊予の国(現在の愛媛)に木梨軽皇子が流刑された後、衣通姫木梨軽皇子に会いに行き2人で心中したとされる。

720年に編纂された日本書紀では、流刑されたのは衣通姫で、権力争いに敗れた木梨軽皇子はひとり自害したと綴られている。

2つの歴史書で相反する結末が描かれた物語を、矛盾することのない一つの物語に昇華したのがこの『月雲の皇子』という作品である。

 

印象的なシーンと考察

衣装の色や柄が示すものとは?

第二幕の衣装はポスターに使用されているものになるのだが、日本古来の4色であるで、登場人物が見事に表現されている。

  • :穴穂皇子(鳳月杏)。赤には血や暴力性といった意味もあることから、武術に長け、乱世を治める穴穂皇子のイメージそのもの。
  • 衣通姫(咲妃みゆ)。白は神聖性の象徴であることから、巫女として育てられ、土蜘蛛には「月の女神」とされた彼女にぴったりである。また、花嫁が着る白無垢には「無垢な状態で嫁ぎ、嫁いだお家に染まる」という意味があることから、穴穂皇子と夫婦となり5年が経過しても、心も身体も穴穂皇子のものになっていないことの表れとも取れる。
  • 木梨軽皇子(珠城りょう)。青は生命力が盛んなことを意味し、また中国から伝わった四神で「青龍」は東を司る意味がある。流刑先の伊予の国で土蜘蛛の頂点に立ち、東にある飛鳥の地を目指す木梨軽皇子と合致する。
  • :土蜘蛛。土蜘蛛の孤児である衣通姫は保護された際に煤だらけで真っ黒だったことや、蜘蛛の身体は黒いことから、本作においては土蜘蛛の象徴だとわかる。(因みに土蜘蛛とは天皇に従わない土豪の総称)

天皇側の穴穂皇子と衣通姫が赤・白、天皇に叛く木梨軽皇子と土蜘蛛が青・黒と対比になっているのだが、これは赤・白は天上界の色、青・黒は地上の色とされることに合致する。

 

また、衣通姫が一人伊予国に辿り着いた時には、菱型の柄の着物を纏っている。

  • 和柄にはそれぞれ意味があり、中でも菱文には「無病息災」や「子孫繁栄」の意味が込められている。
  • 伊予の国に無事辿り着き、木梨と真の夫婦となり幸せに暮らして欲しい…という願いを込めて、大中津姫(或いは衣通姫の侍女)が旅立つ衣通姫にこの着物を用意したと読み取れる。

穴穂皇子との結婚を止められなかったことを悔やみ、衣通姫の本当の幸せを心から祈り見送った大中津姫の優しさが垣間見えるシーンである。

 

タイトルの「月雲」とは?

第一幕で、木梨軽皇子衣通姫を一目見た蜘蛛族の少年・ティコに美しいものを知っているか問うと、「月蜘蛛(晴れた月夜を飛ぶ蜘蛛)」と答える。

  • 巫女として大切に育てられた衣通姫だが、実際は木梨軽皇子と穴穂皇子が幼き頃に保護した蜘蛛族の孤児である。
  • 第二幕では、木梨軽皇子は土蜘蛛の前で衣通姫を「月の女神」だと紹介する。(このことから、蜘蛛族にとって月は神聖なものであることもわかる)

以上から、「月蜘蛛」とは蜘蛛族の中でも美しく特別な存在である衣通姫の比喩だということがわかる。

 

また、「月蜘蛛」ではなく「月雲」と表記したのは理由は2通り考えられる。

  • 木梨軽皇子が初めて「月蜘蛛」という言葉を聞いた際、「月雲」と勘違いしたから。(木梨軽皇子衣通姫が蜘蛛族の子と知りながらも、美しい巫女として見ていたことの比喩とも取れる)
  • 「雲の上の存在」という慣用句からもわかるように、「雲」には地位や身分が高いという意味がある。天上人である「皇子」を装飾する言葉は、地を這う「蜘蛛」よりも天にある「雲」の方がふさわしいから。

 

木梨軽皇子と穴穂皇子の対比

衣装だけでなく、木梨軽皇子と穴穂皇子は作中で何度も対比されていたのでまとめてみた。

  • 歌に対する考え方。木梨軽皇子は後世に真実の物語を残したいとし、穴穂皇子は政のためには時に嘘を残すことが正しいとする。
  • どんな世に相応しいか。聡明で心優しい木梨軽皇子は平時、武術と戦略に長けた穴穂皇子は乱世を治めるのに向いているとされた。
  • 罪を犯した子どもへの対応。窃盗で捕らえられた蜘蛛族の少年・ティコを逃してあげようとする木梨軽皇子と、不穏分子は子どもであっても消すべきと殺める穴穂皇子。
  • 出自について。允恭天皇と大中津姫との間に生まれた木梨軽皇子と、渡来人の家臣・青と大中津姫との過ちによって生まれた穴穂皇子。
  • 嘘をつく動機。穴穂皇子は青が「衣通姫木梨軽皇子を誑かしている」と嘘をついた場面で、父の命を守り、かつ自分が即位するために同調する。木梨軽皇子は、「衣通姫がたぶらかしたのではない、自分が強いたのだ」と自分だけが傷つく嘘をつく。

 

優しかった木梨軽皇子はなぜ変わってしまった?

伊予の国に流刑されてからも暫くは土蜘蛛の民にも優しく接していた木梨軽皇子。いつしか土蜘蛛に自分を従わせ、武器を作らせるようになる。

これは、穴穂皇子と結婚してもなお心では木梨軽皇子を想っていると手紙に綴った衣通姫を信じられなくなり、歌を詠むことができなくなったから。

だが伊予の地で再会した衣通姫は「物語は偽りのためでなく、心に満ちた涙のためにある」と言う。この世には自分の力ではどうにもできないこともある、それでも心にある真実を伝えるために詠うのだと。

死の間際に木梨軽皇子が歌を詠み、「歌でしか言えぬ想いがある」と言う。ここで、衣通姫の気持ちが届いていた事がわかる。切なくも美しいラスト。

 

穴穂皇子はなぜ偽りの物語を残させた?

衣通姫は土蜘蛛を庇い海に落ち、木梨軽皇子は穴穂皇子と戦った末に殺されるが、穴穂皇子は「2人は月が美しい夜に一隻の小舟で海に出て、二度と帰ることはなかった」と残すよう家臣に指示する。

家臣から政のためにならない偽りを残す理由を問われ、「…わからん」と答えるが、自分の嘘が原因で不遇の死を遂げた2人への弔いだと考えられる。

また、木梨軽皇子の塚を作っては土蜘蛛の信仰の対象になるからと亡骸を海に流すよう指示したのも建前で、海に落ちた衣通姫木梨軽皇子が同じ場所で眠れるようにそうさせたと考えられる。

そして、後世に真実を残すか、偽りを残すかは物語を残すものの心に拠ると作品の中で示す事で、古事記日本書紀で結末が異なる衣通姫伝説の矛盾を解消している。

 

その他のシーンの感想

考察で頭を使ったので、ここから語彙力0の感想を。

  • 長髪×和装×ロングブーツのたまちなが美しすぎで冒頭の舞でテンションが爆上がりする。作画が完全に2次元なのよ。完璧。
  • 少年時代の穴穂皇子を演じた楓ゆきさんが可愛い〜!となり、調べたら95期。わたしが初見で顔がいい〜!となる方の95期率。
  • そしてハーフツインテールの朝美絢さんの破壊力たるや…あまりにも可愛すぎる…しかも漢字が読めなくて「にゃにゃにゃ!」で誤魔化すの何…?可愛いの暴力か?
  • 兄であれ男性と言葉を交えてはいけない衣通姫。第一幕ではそのせいで殆ど台詞がないのだけど、むしろその美しさと佇まいだけで十分に衣通姫の特別さが表現できているから凄い。聞けばこの後咲妃みゆさんはトップ娘役になられたと…これは納得…。
  • ティコに「美しいものは好きだ」と答える時のたま様の美しさよ。わたしも美しいものが好きだ〜〜〜!
  • 人のためについた嘘を衣通姫に見透かされ、堪らず後ろから抱きしめてしまう木梨軽皇子。美しくも切なくて息が止まった。
  • 20歳で穴穂皇子の妻になり、それから5年経っても穴穂皇子になびかない衣通姫の気持ちの強さよ…。愛しい人を遠くにやった憎き相手ではあるけど、わたしならちなつさんの側にずっといたら絆されちゃうよ。
  • 衣通姫木梨軽皇子にとって特別な女性だと気付き、刃を向けるポロ。ポロの健気さもさることながら、一度は自分を殺そうとしたポロを庇って死んでしまう衣通姫の優しい心よ…。
  • 剣技では穴穂皇子には勝てないとわかっていながら、土蜘蛛や衣通姫を守るために1人立ち向かう木梨軽皇子。簡単にいなされ、ボロボロになっても何度も立ち上がる姿に胸が打たれた。
  • そして穴穂皇子と背中合わせになった瞬間、大粒の涙を流す木梨軽皇子…。たまちなの涙に全わたしが泣いた。

 

最後に

今作で衣装を担当された任田幾英先生について調べていたところ、それ以前のインタビューでこう語っているのを見つけた。

舞台衣装は、デザインというよりメッセージなんです。セリフがなくても心情が伝わるように衣装で語るという作業が含まれる。

産経新聞 ENAK 衣装デザイナー・任田幾英さんに聞く(1)

今回の考察が合っているかはさておき、衣装一着一着にも物語がある・という視点はこらからも大切にしていきたい。

’21宙組『Hotel Svizra House ホテルスヴィッツラハウス』4月11日マチネの記録

アナスタシアのライブビューイングで桜木みなとさんに一目惚れしてからちょうど50日後、なんと東京建物Brillia HALLで上演中の『Hotel Svizra House』で邂逅を果たしてしまった。これがまた運命的なのでちょっと聞いてほしい。

一般前売で見事に爆死し、死んだ魚のような目をしながらチケトレでF5を連打するのが日課になりかけていたわたしを、件の沼落ちブログをきっかけに繋がったフォロワー様が掬い上げてくださったのだ。

しかもまさかの、座席が1階C列

え、めっちゃ近くない!!?と喜ぶ一方、「Brillia HALLの1階E列までは地底」という噂を耳に入してしまったため、当日席に着くまで少しドキドキしていた。

実際のところ、身長が176センチもあるのに映画館でチャイルドシートが必要なほど異常に座高が低いSexyZoneの中島健人くんならともかく、一般成人女性には全く問題なかった。(それはそれで切ない)

問題ないどころか、神席だった。もうね、とんでもなく近い。オペラグラスを使ったら毛穴まで見えてしまうんじゃないかってくらい近い。他の公演についてはステージングも違うだろうから何とも言えないが、今作に関しては前列は大当たりです。

 

そんな最高の宝塚生観劇を迎え、ドーパミンセロトニンとエンドルフィンが脳内で大洪水を起こしながらも、一生懸命心のノートに感想を書き殴って来たので言語化していきたいと思う。

 

 

以下、あらすじと感想。

※鑑賞が終わるまでネタバレを回避したい方はここでUターンしてください。

 

あらすじ

公演解説を読むと第二次世界大戦が背景にあるので一見難しそうに見えるのだが、大筋はとってもシンプル。

 

起:ロベルト(真風涼帆)は英国情報部からの命令で、ナチスのスパイ“ウィリアム・テル”を捉えるべく、スイスにあるホテル・スヴィッツラハウスへ向かう。

承:バレエダンサーのニーナ(潤花)と出会いお互い惹かれ合っていくも、そのバレエ団の関係者がどうも怪しい。仕事と愛との間で葛藤が始まる。

転:公演スポンサーであるヘルマン(芹香斗亜)がナチス側のスパイとの証拠を掴むも、全ては罪のない芸術家たちの命を守るための行動だった…

結:国のために全てを捧げて来たロベルトが、芸術の素晴らしさや愛情に触れて人間らしい心を取り戻す。

 

と、こんな感じ。見事な大団円っぷりに、幕が降りた時には多幸感からマスクの下で信じられないほど口角が上がっていたよね。ヲタクにっこにこ。

 

 

印象的なシーンや感想

第一幕

  • 冒頭、ロベルトに今回の任務を言い渡す上官のリチャード・ホールデン(美月悠)。舞台中央で背を向けているロベルトが振り返ると共に全キャストが登場し歌とダンスという流れなのだけど、突然目の前に全員が現れたのでどこを観れば良いのかパニックになり、目が100個欲しい!!!と心の中で地団駄を踏んだ。(結局、九割九分九厘は桜木みなとさんを観ていた)

 

  • ホテル・スヴィッツラハウスのホテルマンの制服の配色(生成りターコイズブルーのワンポイント)に既視感があるな〜と思ったら、ディズニーランドのキャストさんだった。ちなみにディズニーリゾートラインの制服も似たような配色。スズホテルの滞在者気分を味わいたくなったら夢の国へ。

 

  • ニーナがラウンジでバレエ団の到着を2時間以上も待つ羽目になり落胆していると、ロベルトがラウンジのホット・ショコラーデを勧めるのがあまりにもエレガント。紳士オブ紳士。
  • なのにそれに続く「ホワイトチョコが最っ高」の一言で、ロベルトさんは甘党なんですねーーー!とわたしの中のギャップ萌えゲージがトップギアで振り切れた。もうホワイトチョコ食べるたびロベルトのことを思い出す人生になっちゃったよね。へへへ。
  • 気狂いクレーマーことウェリントン子爵夫人(万里柚美)がニーナに扇子泥棒の濡れ衣を着せた上、ニーナを杖で打つ。演技と分かってても痛々しくて、しかも目の前で倒れ込むので余計にオロオロした。
  • ニーナをディナーに誘うも、バレエ団のオーディションに落ちたらそんな気分になれないかもと返され、それなら大丈夫と微笑んで送り出すロベルト。この時はまだ任務遂行のためにニーナに接近しているとわかりながらも、でもそんな誘い方されたら誰だって嬉しいし頑張れちゃうよね!わかる!!と勝手にニーナのわかり手になる。

 

  • その夜、ロベルトとニーナが無事にディナーを共にしていると、バレエ団のメンバーもレストランに現れ挨拶を交わす。ここでユーリー・バシリエフ(桜木みなと)も自己紹介をするのだけど、この時名前を言いながら左胸のチーフの辺りにスッと右手を上げるユーリーの仕草がとっても綺麗で思わず溜め息。
  • レストランからビリヤードのシーンに移る際、男役の皆様が一斉に振り返りながらスリーピーススーツのジャケットを脱いでベスト姿になるのだけど、これがも〜〜〜堪らなく格好良いの…各社スーツメーカーには早急に宙組にCMのオファーをしてください。是非とも。
  • ちなみにユーリーのジャケット脱ぎは、1m前にいても衣擦れの音ひとつ聞こえないんじゃないかってくらい滑らかで痺れた。
  • あと、ビリヤードのダンスシーンのキメポーズでユーリーはキューを正面に向かって突くのだけど、その瞬間にわたしのハートもズガンッと撃ち抜かれた…快感だァ(突然の真風ダニー)

 

  • 翌日、ロベルトはバレエ団の稽古を見学しにボールルームを訪れる。ここ、上手側でロベルトやミハイロフ侯爵(寿つかさ)らが話し、下手側でユーリーとニーナがペアダンスの練習をしているんだけど、わたしの目と鼻の先に艶めかしく体を密着しながら練習をしているふたりがいるからもう視線が釘付けだった。
  • ユーリーの、額から鼻に続く神様に愛された美しいカーブ、彫刻の如く影を落とす首筋の胸鎖乳突筋、深めのVネックから覗く絹のような肌、ピンと天に伸びる背筋、ニーナの腰〜胸を撫でる繊細な指先、細身の黒のパンツに映える小さく引き締まった(むしろほぼない)お尻…頭のてっぺんから足の爪先までその全てがSo Sexy。
  • セクシーの申し子は中島健人くんだと思っていたけど、桜木みなとさんも相当なセクシーの使い手なので、いつかFNSで手合わせして欲しい。
  • 照れてここまでふざけ倒しちゃったけど、ここ、めっちゃエロくて最高です。
  • からのピアノの上にあるタオルを手に取り、首筋の汗を拭うユーリー。汗を拭うだけで絵になるとかそれはもう少女漫画の世界なのよ。そのタオルになりたい人生でしたアーメン。

 

  • あとこのボールルームでのアルマ(遥羽らら)の衣装がすっごく好き!白いブラウスの肩からファーを纏い、ゴールドのベルトがワンポイントなパンツ姿なのだけど、前日に銀座の街で見かけたどのマネキンよりもお洒落で、何よりウエストがとんでもなく細かった。
  • この後アルマが着るエメラルドグリーンのスリットワンピースも魅力的だし、アルマのものだけでなく今作に出てくるお衣装はどれも素敵だったな。プログラムと別に、Perfumeみたいな感じで衣装集を出して欲しい。
  • ボールルームにいる一同が歌い踊るシーンでは、ミハイロフ侯爵(寿つかさ)とユーリーが肩を組んだり腕を絡めたりするので、心の中でキャーキャー言ってた。すっしー組長大好き!あとここでの腕の絡め方が異様にえっちなユーリーにもご注目。

 

  • その後、ボールルームに残ったロベルトとニーナが語らい、踊るシーンでは、眩しいほどに可愛くて純真なニーナがディズニープリンセスにしか見えなかった。辞書の「プリンセス」の項目に「或いは潤花」と付け加えたい。
  • 学生時代にサークルでお芝居をしていたロベルトは、なぜ役者の道に進まなかったの?と聞かれ、あがり症で観客の視線が集まるのが苦手だったと話す。「オペラグラスで見られたりとか」と言いながらロベルトが実際の客席に目線を飛ばした途端周りから一斉に声が漏れていて、これが真風さんの目線の威力…!と感動した。

 

  • 明くる日の稽古でやけに苛立っているユーリー。煙草に火をつけ、不機嫌な顔で下手から上手に移動、ドカッと椅子に脚を組んで煙草をふかす。(ちなみに左脚が上だったと記憶)
  • イライラしてて感じが悪いのに、それすらも魅力的だから怖い。でもこればっかりは仕方がない、だって悪いのは格好良いってBADDYで習ったもん!は〜い、もうお手上げ!絶対服従!!好き!!!(語彙力喪失)

 

  • ニーナの親友のシルヴィ(春乃さくら)がドイツ兵オットー(聖叶亜)と恋に落ちたと手紙で知り、ニーナが心を乱しロベルトが諭すシーン。
  • 負の感情を抱えてしまい思い悩むヒロインをヒーローが癒しつつ、ヒーロー自身も人間らしい感情を取り戻していくこの流れ、進研ゼミならぬアナスタシアで勉強したぞっ…!と思いながらも普通に泣いた。チョロヲタなので。
  • 任務を遂行するために自分のことを全ては明かせないロベルトが、ニーナからの質問に答えられず、代わりに「このキスがその答えだ」と口づけをする。
  • ニーナへの最大限の自己開示のために取った行動が『キス』なの、100点満点では…?これを超える答えはどこにもないよ…正にスイートアンサー。
  • あと、シルヴィの♪彼はドイツ人〜だけどいい人〜のフレーズが頭から離れない。澄み切ったステキな歌声だったなぁ。オットーのおどおど感も堪らなくキュートだった。幕間にプログラムでお二方のお名前をすぐチェックした。春乃さんと聖さん、覚えたぞ…!(逃げて)
  • ここでずんヲタに業務連絡。ユーリー様のお衣装は第一幕で3種、第二幕で新規3種、フィナーレで新規1種の計7種でした。スチール写真にもなった高貴なハイネック姿は第一幕の結びから観れるよ。

 

第二幕

  • 業務連絡その2、第二幕冒頭はユーリーのソロダンスから始まるので幕が上がった瞬間に目をかっぴらいて見てください。フリルがあしらわれたグレーのシャツに黒のパンツ姿だよ。
  • ドイツ軍の軍用機墜落による爆発騒ぎや、各々の計画が思うように運ばずに高まる不安感を、全員が煙草をふかすことで表現していたのが良かった。BADDYだと煙草は悪くて格好良いことの象徴で、今作では陰鬱な気分の象徴なんだなと。
  • 個人的にはアルマの喫煙が一番刺さる。狡猾でセクシーな女性が、もの言いたげにふかす煙草が癖なんですよね…。

 

  • ロベルトがエリーク・カウフマン(瑠風輝)とウィリアム・テルに関する情報をやりとりしているシーン。ここでロベルトがジャケット内側の胸ポケットに煙草ケースが上手く仕舞えないちょっとしたアクシデントが起きるのだけど、表情を1ミリも変えずに続ける真風さんにゾクゾクしちゃった。
  • ここで「ジャニヲタ、ステージ上のアクシデントにも冷静に対処する姿にキュンとしがち説」を提唱していきたい。

 

  • ホテルでのバレエ公演で成功を収めればアメリカのカンパニーに移るチャンスを得るも、まだ迷いがあるニーナ。そんなニーナにロベルトは「一度きりの人生、愛するもののために生きるんだ」とアメリカ行きを後押しする。
  • この台詞、戦争下でも自分の夢を諦めずに追いかけて欲しいというロベルトからニーナへのエールであると同時に、1年以上続くこの非常事態にも負けず宝塚を愛し守り抜く宙組トップスターからの宣戦布告とも取れませんか…?感動のあまりわたしはここで鳥肌が立った。

 

  • ヘルマンとアルマが旧友のラディック(紫藤りゅう)の無事を知り安堵するシーン。追憶の中のラディックがステージ中央、アルマとヘルマンがその前方に立ち綺麗な三角形を作っているのだけど、途中からアルマがラディックに抱きついて陣形が崩れる。片や忘れられない元恋人、片やただの友達。身を引いたヘルマンの表情が切ない。
  • ヘルマンはアルマに「ラディックを守るのは君のためじゃない」と言うけど、本心はきっと違うよね。自分とアルマが結ばれる未来はもう随分前に手放したけれど、世界中の誰よりも一番にアルマを想っているからこそ、アルマの心の片隅にずっといるラディックを自分の命に代えても救いたいんでしょう…?そのために国家を敵に回してでも、アルマの笑顔を守りたいんでしょう…?
  • 美しく気高い当て馬・ヘルマンに対抗馬出すならもう花沢類しかおらん!と、心の中のノブが叫んだ。

 

  • 反抗期真っ盛りの中学生の如く当たり散らかしていたユーリーが、ダンサーのジョルジュ(泉堂成)がホテルに到着した日を境に、飼い主に構ってもらえるのが嬉しくて尻尾をぶんぶん振ってる仔犬に変貌する。ジョルジュはユーリーにとって一体何なんだ…?でもジョルジュのおかげで、何だかんだ言ってにこにこなユーリーが一番好きなんだと気付けたよ。サンキューな。
  • ダイニングバーでユーリーが歌う曲は、大変な状況の中でもバレエができるユーリー・バシリエフの喜びであり、同時に今ステージに立つ桜木みなとさんの心そのものに触れられた気がして、嬉しくって泣きそうになった。
  • そしてこの曲のハッピー感が堪らない!一刻も早く音源を販売して欲しいし、早くわたしも団員と一緒に「ユーリーに乾杯!」と思う存分叫びたい。
  • あと、ダイニングバーでのユーリーが子犬だとしたら、ジョルジュはまるで番犬。ユーリーに迫る女性からユーリーを守りつつ、酒に酔ってボディータッチ過多になっているユーリーを独り占めするジョルジュ。…ジョルジュはユーリーにとって一体何なんだ…?(2回目)

 

  • ダイニングバーでひとり潰れていたニーナを自室で介抱するロベルト。聞けば、ドイツ兵オットーと恋に落ちたシルヴィが、反ナチスレジスタンスに襲撃され舞台に立つことができなくなった上、オットーはシルヴィを守るために命を落としたことに心を痛めていると。
  • ここ、ロベルトがニーナに話したことが、わたしが個人的にずっと悩んでいたことにも重なって涙が止まらなかった。いつの時代も、今日と同じ明日が続く保証なんてどこにもない。「先の幸せ」を案ずるより、「今の幸せ」を大切に生きていかなくちゃいけないんだ。
  • そしてふたりはその夜ひとつに結ばれるのだが、この世で一番穢れからかけ離れたベッドシーンだった…情操教育上むしろ良さそう。
  • ちなみに、この一連のシーンでボロ泣きしていたところ、暗転したタイミングで涙と一緒に片方のコンタクトまで落とすというアクシデントが発生。幸いにも手の中に落ちてくれたので何とか装着できたが、1分くらい視力0.03の世界で何も見えなかった。

 

  • バレエ公演前夜のボールルームで、遂にナチスのスパイである”ウィリアム・テル”がヘルマンだと明らかになる。だが、全てはユダヤ人系の芸術家の命を救うべく、ナチス側と取引をするために行っていた事だった。
  • そして、かつて"ウィリアム・テル”を名乗っていた女スパイとホールデンが関係を持ったことを知ってしまったが故に、ロベルトの恩人・ネイサンは無実の罪で殺されたことも明らかに。
  • ヘルマンのスパイ行為によって被害を受けた人がいるのことは紛れのない事実だが、ヘルマンもまたこの戦争下で己の正義に従って人命を守っていた。
  • ロベルトはヘルマンに、二重スパイとして英国情報部に協力すると約束してくれたら、明日のバレエ公演が無事に終わるまで告発はしないと約束する。
  • ホテル・スヴィッツラハウスで過ごしたこの数日がなかったら、きっとロベルトは即刻ヘルマンを英国情報部に突き出してたのかと思うと、やはり人を一番変えるのは恋なんだなぁと思った。

 

  • そして遂に『シェエラザード』公演当日、公演を心待ちにしていたお客様がホテルに続々と集まってくる。
  • 中にはユーリーを観るためにフランスから駆け付けたご婦人もいたので、同志よ…!と心の中で会釈した。ユーリーが公演に出るならなら世界の裏側にだって駆け付けちゃう気持ち、わかるよ。

 

  • 遂に幕が開く。シェエラザードは『千夜一夜物語』をベースに作られた作品のため、アラビア調の衣装。金やパールの装飾がふんだんに施されていてとっても煌びやか。
  • 下手前列の最高ポイントは、ニーナが上体を仰け反るポーズのままで止まるところで、浮き出た肋骨の一本一本や、呼吸とともに上下するお腹まで綺麗に見えるところです。
  • ゾベイダ役のニーナと金の奴隷役のユーリーのダンス、とにかく素晴らしすぎた…!もう目を離せなかった。絶対にこのバレエシーンの舞台写真が欲しいからキャトルに念を送っているところ。
  • 作中でも話題になったように、文字通り血の滲む努力を重ねてきたからこそ、今この瞬間輝きがあるんだと思うと…演者にとっても観客にとっても二度と来ることのない、かけがえのない時間を共有できるステージという場所はやっぱり凄い。
  • 戦争下でのエンターテインメントの在り方が、このコロナ禍の現代に重なるなと節々で思っていたが、ここで歌われる『Lives in the theater』を聴いて確信した。やはりこの作品は、平穏が脅かされた世の中でひとときの夢を見せるエンターテインメントの必要性を訴えた作品なのだ。
 
  • 大成功を納めたバレエ公演の翌朝、一向はホテルを後にする。
  • アルマにご執心なチャールズ(希峰かなた)が、別れ際にスイスではプロポーズの意味するエーデルワイスの花束と共に指輪を差し出すも、アルマに笑顔で指輪ケースを閉められ断られる。コメディ仕立てなこの流れに会場全体がドッと湧いた。アルマ、どこまでも憎めない可愛い女だなぁ〜。
  • あと個人的に、チャールズとヴラドおじさまに近いものを感じていて。ヴラドから闇の成分を完全に取り払って、ただただ無邪気に人を愛したらこんな感じかな〜なんて。
  • そして物語の冒頭でニーナがウェリントン子爵夫人から杖で打たれたところと全く同じ場所で、バレエ公演を通じて心を取り戻したウェリントン子爵夫人とニーナがハグをしたのにはジーンと来た。子爵夫人も、戦争によって負った深い心の傷を、芸術によって癒すことができたのだ。やはりどんな世でも、エンターテインメントだけは絶対に止めちゃいけないんだと改めて強く思った。
  • ロベルトはニーナとの別れ際に、エーデルワイス花言葉が「大切な思い出」であると知り、それをニーナに教える。そしていつかアルプスの山々にエーデルワイスの花が咲き誇る頃、また再会しようと約束する。
 
  • それから5年後、ロベルトとニーナはホテル・スヴィッツラハウスで再会を果たす。
  • ロベルトが人の心を取り戻す過程でニーナに掛けた言葉「一度きりの人生、愛するもののために生きるんだ」がニーナの口から出た時には、ぎゅっと胸が締め付けられた。彼女はアメリカに渡りバレエダンサーとして成功してもなお、このロベルトの言葉をお守りに生きていたんだよ…尊い
  • そしてロベルトは花言葉が「大切な思い出」であるエーデルワイスの花束をニーナに渡し、5年前には敢えて黙っていたもう一つの意味、スイスでエーデルワイスはプロポーズの意味だと告げる。
  • ロベルトからのプロポーズに対し、「このキスがその答えよ」とロベルトに口づけをするニーナ。甘ーーーーーい!!!!!
  • と言うか、再会した時にこうやってキスをしようと思っていたからこそ、5年前の別れ際でニーナは敢えてロベルトからのキスを拒んだってことよね?純真無垢なプリンセスかと思っていたけど、実は策士でした…?おかげで最高のものが見れました、ニーナ万歳!
  • 最後にロベルトが言う「Unus pro omnibus, omnes pro uno (一人は全てのために、全ては一人のために)」という言葉は、ホテルスヴィッツラハウスのフロントの壁にずっと刻まれていた言葉でもある。(壁には全て大文字で書かれていた)(ちなみにラテン語らしい)
  • この怒涛の伏線回収っぷりよ。全てのパーツが最後にガッチリとはまり、一つの絵になるラストシーンって素敵だよね。素晴らしい物語の結びに、心からの拍手を。

 

フィナーレ

  • フィナーレ冒頭が桜木みなとさんの歌唱で、さっきまで泣いてたのにすぐ笑顔になったワイ。
  • 本編でわたしは笑顔のご贔屓が一番ツボだと知る訳だが、このフィナーレではアイドルなのか!?ってくらい終始キラッキラの笑顔だったからもうずっとキュンキュンしていた。
  • 途中二階席あたりにバチーン☆とウインクをキメてて、完全にジャニヲタの血が騒いだ。心の中で「ウインクして」のファンサ団扇を掲げた。
  • 正直こうなるとご贔屓しか見る余裕がなくて、でも本当はステージ上の全員をそれぞれつぶさに見たいし、円盤の特典にソロアングル付いてくれないかな(強欲)
 
 
以上が、わたしの生観劇デビューの記録である。
今回御同行させてくださった方もとってもお優しい方で、宝塚もヅカファンもあったかくて素敵だなぁとしみじみ。
そして50日前に桜木みなとさんに一目惚れしたわたしへ。やっぱり見る目あるよあんた、最高だよ。

 

'21月組『幽霊刑事~サヨナラする、その前に~』の記録

幽霊刑事、千秋楽おめでとうございます。わたしは20日の生配信で拝聴させていただいたので、その感想をば。

 

絶賛宝塚勉強中の身なので、月組の演目を観るのはBADDYに続いてこちらが2作品目。真っ先に思ったのが、珠城りょうさんは悪役を演じても正義の味方を演じても素晴らしいということ。どっちも好きすぎて選べないよ、ドラえも~~~ん!って心の中ののび太が叫んだよね。

 

 

以下、あらすじや印象的なシーンなど。

 

あらすじ

恋愛と本格ミステリーが融合した有栖川有栖氏著の傑作「幽霊刑事」が、心温まるミュージカルとして、珠城りょうの思い入れある宝塚バウホールに登場します。
巴東署の刑事・神崎達也が、夜の浜辺で突然上司に射殺された・・・が、結婚を控え、殺された理由に全く心当たりがない神崎は、成仏できず幽霊となってしまった。母親にも、フィアンセの森須磨子にも自分の姿は見えず、虚しさに苛まれる神崎だが、青森出身でイタコの血を引く霊媒体質の警察学校同期刑事・早川篤にだけは自分の姿が見え、声も聞こえた。神崎は唯一コミュニケーションが取れる早川に事件のあらましを話し、幽霊刑事と霊媒刑事の「最強コンビ?」がタッグを組んで捜査に乗り出す。しかし事件解決はまた、神崎がこの世に別れを告げ、昇天することをも意味していた。「愛する人の為、消え去ることもまた、愛」。

公演解説 | 月組公演 『幽霊刑事(デカ)~サヨナラする、その前に~』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

印象的なシーンなど

  • 神崎達也(珠城りょう)のトレンチコートの似合い方が異常!も~~~とにかく格好良い!ベストジーニストのトレンチコート版を今すぐ作ろう。
  • 前述の通り月組公演を観るのは今作で2回目。珠城りょう=バッディの認識だったので、神崎がバッディと全く違う声色で「本当に同じ人…?」と混乱した。
  • 巴東署のメンバー紹介ソングがポップで可愛かった。中井署長(朝霧真)が「タヌキ親父」呼ばわりされているけど、顔がいいのが隠しきれていない。
  • 幽霊になった神崎が、同期の早川篤(鳳月杏)には見えるとわかるシーン。「死人に口なし」「縮まる寿命があるのが羨ましい」「生き地獄だよ!」「死ぬ気で頑張るんだ!」など、もう死んでいることをネタにしたコントのような怒涛の掛け合い。そのやりとりがとにかく自然で。用意された台詞を言っているのではなく、ふたりがその場で咄嗟に思い付いた言葉を投げ合っているかのような感覚に陥った。たまちなの演技力を見せつけられてしまった…(後からおふたりのことを"たまちな"と呼ぶのだと友人から教わった…たまちなForever…)
  • ちなつさんの、厚みのあって安定感抜群の歌声も素敵だった…きゅん。
  • 新田(紫門ゆりや)と経堂保美(蘭世惠翔)の回想シーンで「忘れてくれ、れ、れ…」「やすみ、み、み…」とセルフエコーを効かせてるのは面白かった。
  • あと漆原副所長が自宅で「うるさ~~~~~い!!!」と旦那と子どもたちに怒鳴るシーンも笑った。"死"が絡んで来るとシリアスに寄りがちだけど、コメディ要素もバランスよく入っていて楽しく観れる作品。
  • 母と妹の元を訪れ、ふたりの会話に静かに涙する神崎。左目からツーっと流れる涙があまりにも綺麗だった。
  • 聾唖の少女・天乃愛(白河りり)は皮肉にも幽霊になってから上手に話したり歌ったりできるようになるのだけど、それを観ても全くギャップを感じないくらい、生前手話で話している愛ちゃんから天真爛漫さが滲み出ていた。屈託のない笑顔がまるで天使のようだった。素晴らしい演技力!
  • 須磨子(天紫珠李)が幽霊になった神崎の存在をなかなか認めようとしないシーンには胸が痛くなった。愛する人に存在を認めてもらえない神崎はもちろん、突然殺された婚約者の幽霊が自分には見えない哀しみと憤りが爆発する須磨子の姿は見ていて辛かった。
  • 切手のない贈り物を聴きながら泣いたの、人生初だと思う。
  • 幽霊になった神崎が家庭訪問と称して同僚や上司の家を訪れ、家での様子を観察して来たと早川に話すシーンで、なぜ毬村主任(輝月ゆうま)だけ家での様子ではなく向かいの喫茶店でスティックシュガーをくすねていた話をするんだろう?と少し違和感を覚えていたのだが、最後の種明かしでスティックシュガーは麻薬の密売方法だったと明かされ、ここは伏線だったのか~~!と悶た。(最後まで犯人が誰か全くわからなかった人)
  • 早川を通じて、須磨子にコートの下の銃を取るよう手話で指示を出す神崎。これには痺れた…。生前、神崎は愛ちゃんとコミュニケーションを取るために手話を勉強しているのだが、ここは単に彼の誠実さを表現しているのだと思っていた。まさかこのラストシーンに繋がるとは。脱帽。
  • そして須磨子にとって、終始見えない存在である神崎が、本当にそこにいると強く確信できたのはまさにこのシーンだったのではないだろうか。神崎と共に過ごした日々があったからこそ、窮地を切り抜けられた。
  • 序盤で神崎自身が言っている通り、幽霊になってしまった神崎は自分の"手"では誰も守ることはできない。けれど、死んでもなお”手話”を通じて愛する人を守り抜くことができた。素敵なオチに乾杯。
  • 天国から迎えに来た愛ちゃんが「お前は幸せに生きたか」「お前は誰かを幸せにしたか」と尋ねると、笑顔で答える神埼。生きていたらもっと幸せになっていたであろう神崎が「とどまることが赦されないなら、俺は微笑んで消えていきたい」と理不尽な死を受け止め成仏する姿に、涙が止まらなかった。そして須磨子、どうか幸せになってね…。

 

最後に

ショーのあと「見えてますか〜?」とにこにこ手を振り、ご挨拶で口が回らず自分の頬に手をやる珠城りょうさん。え、こんなにハンサムなのに実はとっても可愛い人なの…?しんどすぎる、こんなのズルい。

そして「ハート投げを覚えたんです!」と言われハテナが飛んでしまったのだけど、そのあとの茶目っ気たっぷりな「これでもくらえ~!」で、可愛い~~〜〜~!!!と湧き、その後ちなつさんの格好良すぎる「これでも喰らえっ!」で瀕死に。

思わずジャニーズのライブ映像を観てても出ないタイプの悲鳴が出ちゃったよ。たまちなForever…。

 

そして明日は美園さくら様のミュサロ生配信を拝聴する予定です。楽しみだな〜!