'21月組『幽霊刑事~サヨナラする、その前に~』の記録

幽霊刑事、千秋楽おめでとうございます。わたしは20日の生配信で拝聴させていただいたので、その感想をば。

 

絶賛宝塚勉強中の身なので、月組の演目を観るのはBADDYに続いてこちらが2作品目。真っ先に思ったのが、珠城りょうさんは悪役を演じても正義の味方を演じても素晴らしいということ。どっちも好きすぎて選べないよ、ドラえも~~~ん!って心の中ののび太が叫んだよね。

 

 

以下、あらすじや印象的なシーンなど。

 

あらすじ

恋愛と本格ミステリーが融合した有栖川有栖氏著の傑作「幽霊刑事」が、心温まるミュージカルとして、珠城りょうの思い入れある宝塚バウホールに登場します。
巴東署の刑事・神崎達也が、夜の浜辺で突然上司に射殺された・・・が、結婚を控え、殺された理由に全く心当たりがない神崎は、成仏できず幽霊となってしまった。母親にも、フィアンセの森須磨子にも自分の姿は見えず、虚しさに苛まれる神崎だが、青森出身でイタコの血を引く霊媒体質の警察学校同期刑事・早川篤にだけは自分の姿が見え、声も聞こえた。神崎は唯一コミュニケーションが取れる早川に事件のあらましを話し、幽霊刑事と霊媒刑事の「最強コンビ?」がタッグを組んで捜査に乗り出す。しかし事件解決はまた、神崎がこの世に別れを告げ、昇天することをも意味していた。「愛する人の為、消え去ることもまた、愛」。

公演解説 | 月組公演 『幽霊刑事(デカ)~サヨナラする、その前に~』 | 宝塚歌劇公式ホームページ

 

印象的なシーンなど

  • 神崎達也(珠城りょう)のトレンチコートの似合い方が異常!も~~~とにかく格好良い!ベストジーニストのトレンチコート版を今すぐ作ろう。
  • 前述の通り月組公演を観るのは今作で2回目。珠城りょう=バッディの認識だったので、神崎がバッディと全く違う声色で「本当に同じ人…?」と混乱した。
  • 巴東署のメンバー紹介ソングがポップで可愛かった。中井署長(朝霧真)が「タヌキ親父」呼ばわりされているけど、顔がいいのが隠しきれていない。
  • 幽霊になった神崎が、同期の早川篤(鳳月杏)には見えるとわかるシーン。「死人に口なし」「縮まる寿命があるのが羨ましい」「生き地獄だよ!」「死ぬ気で頑張るんだ!」など、もう死んでいることをネタにしたコントのような怒涛の掛け合い。そのやりとりがとにかく自然で。用意された台詞を言っているのではなく、ふたりがその場で咄嗟に思い付いた言葉を投げ合っているかのような感覚に陥った。たまちなの演技力を見せつけられてしまった…(後からおふたりのことを"たまちな"と呼ぶのだと友人から教わった…たまちなForever…)
  • ちなつさんの、厚みのあって安定感抜群の歌声も素敵だった…きゅん。
  • 新田(紫門ゆりや)と経堂保美(蘭世惠翔)の回想シーンで「忘れてくれ、れ、れ…」「やすみ、み、み…」とセルフエコーを効かせてるのは面白かった。
  • あと漆原副所長が自宅で「うるさ~~~~~い!!!」と旦那と子どもたちに怒鳴るシーンも笑った。"死"が絡んで来るとシリアスに寄りがちだけど、コメディ要素もバランスよく入っていて楽しく観れる作品。
  • 母と妹の元を訪れ、ふたりの会話に静かに涙する神崎。左目からツーっと流れる涙があまりにも綺麗だった。
  • 聾唖の少女・天乃愛(白河りり)は皮肉にも幽霊になってから上手に話したり歌ったりできるようになるのだけど、それを観ても全くギャップを感じないくらい、生前手話で話している愛ちゃんから天真爛漫さが滲み出ていた。屈託のない笑顔がまるで天使のようだった。素晴らしい演技力!
  • 須磨子(天紫珠李)が幽霊になった神崎の存在をなかなか認めようとしないシーンには胸が痛くなった。愛する人に存在を認めてもらえない神崎はもちろん、突然殺された婚約者の幽霊が自分には見えない哀しみと憤りが爆発する須磨子の姿は見ていて辛かった。
  • 切手のない贈り物を聴きながら泣いたの、人生初だと思う。
  • 幽霊になった神崎が家庭訪問と称して同僚や上司の家を訪れ、家での様子を観察して来たと早川に話すシーンで、なぜ毬村主任(輝月ゆうま)だけ家での様子ではなく向かいの喫茶店でスティックシュガーをくすねていた話をするんだろう?と少し違和感を覚えていたのだが、最後の種明かしでスティックシュガーは麻薬の密売方法だったと明かされ、ここは伏線だったのか~~!と悶た。(最後まで犯人が誰か全くわからなかった人)
  • 早川を通じて、須磨子にコートの下の銃を取るよう手話で指示を出す神崎。これには痺れた…。生前、神崎は愛ちゃんとコミュニケーションを取るために手話を勉強しているのだが、ここは単に彼の誠実さを表現しているのだと思っていた。まさかこのラストシーンに繋がるとは。脱帽。
  • そして須磨子にとって、終始見えない存在である神崎が、本当にそこにいると強く確信できたのはまさにこのシーンだったのではないだろうか。神崎と共に過ごした日々があったからこそ、窮地を切り抜けられた。
  • 序盤で神崎自身が言っている通り、幽霊になってしまった神崎は自分の"手"では誰も守ることはできない。けれど、死んでもなお”手話”を通じて愛する人を守り抜くことができた。素敵なオチに乾杯。
  • 天国から迎えに来た愛ちゃんが「お前は幸せに生きたか」「お前は誰かを幸せにしたか」と尋ねると、笑顔で答える神埼。生きていたらもっと幸せになっていたであろう神崎が「とどまることが赦されないなら、俺は微笑んで消えていきたい」と理不尽な死を受け止め成仏する姿に、涙が止まらなかった。そして須磨子、どうか幸せになってね…。

 

最後に

ショーのあと「見えてますか〜?」とにこにこ手を振り、ご挨拶で口が回らず自分の頬に手をやる珠城りょうさん。え、こんなにハンサムなのに実はとっても可愛い人なの…?しんどすぎる、こんなのズルい。

そして「ハート投げを覚えたんです!」と言われハテナが飛んでしまったのだけど、そのあとの茶目っ気たっぷりな「これでもくらえ~!」で、可愛い~~〜〜~!!!と湧き、その後ちなつさんの格好良すぎる「これでも喰らえっ!」で瀕死に。

思わずジャニーズのライブ映像を観てても出ないタイプの悲鳴が出ちゃったよ。たまちなForever…。

 

そして明日は美園さくら様のミュサロ生配信を拝聴する予定です。楽しみだな〜!