ジャニヲタが宝塚宙組アナスタシアを鑑賞して桜木みなとさんに一目惚れした話

SexyZoneを愛する者として、やはり一度は宝塚の門戸を叩いてみたい…と思うのが世の定め。(なぜならSexyZoneのマリウス葉くんは元タカラジェンヌのお母様の下に生まれ、女の子に生まれていたら宝塚歌劇団に入団したかったと語る生粋の宝塚ファンだから)

そんな折に、半生を宝塚と共に過ごしている友人と久々に連絡を取る機会があったので「実は宝塚を観劇してみたくて、お勧めの演目があれば教えて欲しいな…」と不躾にも聞いてみた。

彼女の推しは月組なのだが「今東京でやってる宙組のアナスタシアって演目がお勧め、千秋楽は映画館でライブ中継が観れるよ!」という有力な情報を得た。推しの演目を差し置いてお勧めしてくれるなんてよっぽどだ。やはりこの世で一番信頼できるのはガチヲタである。

早速Googleで「アナスタシア 千秋楽 映画館」で検索してみたところ、なんとチケットの先行抽選販売の締切まであと2時間を切っていた。これには運命を感じざるを得ない。頭の中で♪こ〜れ〜は運命的な恋煩い〜平野紫耀が歌い出す中、申し込み完了。

 

そして無事チケットが当選したので友人に報告したところ、YouTubeに舞台映像が上がっているのを教えてもらった。

エッッッッッ!!?丸眼鏡にお髭のお方、めちゃくちゃタイプど真ん中なのですがーーー!?!?

白髪混じりの三枚目役、なのに格好良くて可愛くてしかも品がある。どういうことだ???気付いたらそのお方ばかり目で追ってしまう。どうやらわたし、長きに渡るジャニヲタ人生で一度もなかった本当の「一目惚れ」って奴を宝塚で体験してしまったらしい。

友人からこの方が桜木みなとさんだと教えてもらい、Googleで「桜木みなと」と調べてまた混乱する。どうしよう、舞台メイクをされていない時のお顔もすっごく綺麗だ…。

それからは宝塚歌劇公式サイトでアナスタシアのページを読んで予習をしたり、人物相関図のヴラド・ポポフの右上にある人型のマーク👤をクリックしてはニコニコするなどしているうちに、遂にアナスタシア千秋楽の日を迎えた。

 

 

以下、あらすじや感想など。

 

あらすじ

舞台は20世紀初頭、帝政末期のロシア、サンクトペテルブルクロシア帝国皇帝ニコライ2世の末娘として生まれたアナスタシアは、パリへ移り住み離ればなれになってしまった祖母マリア皇太后から貰ったオルゴールを宝物に、家族と幸せに暮らしていたが、突如ボリシェビキ(後のソ連共産党)の攻撃を受け、一家は滅びてしまう。

しかし、街中ではアナスタシアの生存を噂する声がまことしやかに広がっていた。パリに住むマリア皇太后は、アナスタシアを探すため多額の賞金を懸ける。それを聞いた二人の詐欺師ディミトリとヴラドは、アナスタシアによく似た少女アーニャを利用し、賞金をだまし取ろうと企て、アーニャと三人でマリア皇太后の住むパリへと旅立つ。記憶喪失だったアーニャは次第に昔の記憶を取り戻してゆく…
同じ頃、ロシア政府はボリシェビキ将官グレブにアナスタシアの暗殺命令を下す。マリア皇太后に仕えるリリーの協力を得て、ついにアーニャはマリア皇太后と会う機会を得るが、グレブがアーニャを見つけ出し…

ストーリー | ミュージカル「アナスタシア」 <オフィシャルHP>

ミュージカル版アナスタシア公式サイトのあらすじが非常にわかりやすかったので、引用させていただきました。感謝。

 

印象的なシーンと考察

  • ディミトリ(真風涼帆)とヴラド(桜木みなと)のコンビがふざけ合うシーンが全部ツボだった。「運河を泳いで渡るんだ〜!」とアーニャ(星風まどか)を茶化すディミトリを見るヴラドの表情も、子どもヴラド(架空)をよしよししたあとに円盤投げしたディミトリを見るヴラドの表情も好き。
  • グレヴ(芹香斗亜)がおどけて見せるシーンで、場所が政府事務所じゃなくても全然冗談言いそうじゃないけどな〜と思ってたら、「千秋楽」と書かれた紙を持ってスキップし始めたので吹き出しそうになった。最高!
  • 何が凄いって、この後グレヴから無茶振りをされたアーニャ(星風まどか)がアドリブに一通り付き合ったあと間髪入れずストーリーに戻って、これがトップ娘役…!と感動した。
  • パリ行きの列車ではしゃぐヴラドの溢れ出すワンコ感があまりに可愛くて奇声が漏れそうになったので、マスクの下で口をへの字にしていた。
  • ネヴァクラブのリリー(和希そら)の歌唱シーンが、この作品の歌唱シーンで一番グッと来た!皆様すっごく素敵な歌声なんだけど、特に和希そらさんの力強いのに澄んだよく通る歌声が印象的で。カウンターの上で「ロシアァ!」ってシャウトしたお声が忘れられない。
  • からのヴラドの情熱的なバックハグで、座っているのに目眩がしたよね。エッッッこんなに身体密着してええんか!?!?みたいな気持ちになったのだけど、そもそも宝塚って女性しかいないという公然の事実を思い出した。最初はヴラドがリリーを求めているのかと思ったけど、「愛してた」「愛された」ってやりとりもそうだし、再会後はヴラドにちょっと冷たくするリリーが、最終的に自ら激しいキスをしていた様に、ヴラドに近付いたら最後こちらが心を奪われてしまうんだ…とリリーを通じて詐欺師ヴラドの深淵を覗き込んでしまった(気がした)
  • 初めは威勢のいい女の子な印象だったアーニャが、パリのバレエホールではすっかりプリンセス・アナスタシアになって、これがトップ娘役…!(2回目)と震えてしまった。佇まいが凛としていて、こっちまで背筋が伸びる様な気持ちに。ディミトリだけじゃなく、観客全員が心奪われたはず。
  • マリア皇太后(寿つかさ)がアーニャの部屋を訪れたシーン。気になったのが、アーニャとマリアがベッドで向かい合ってお話している間、ずっとアーニャ側にある化粧台の鏡面にマリアの姿が映っているのだけど、ちょうどアーニャと背中合わせになるような配置になっていて。向かい合っているのに、心はまだ向き合えていない状態を表現しているのかなと考えながら観ていた。からのハグ。ふたりの心の距離が0になった瞬間に涙。
  • マリア皇太后の「本当のプリンスは生まれなど関係ない」という台詞は、裏返すと生まれながらのプリンセスだってひとりの女の子ってことで…だからずっと待ち続けた可愛い可愛いアナスタシアが、もう二度と自分の前には現れないことも笑顔で受け入れたマリアは正に皇太后の器。
  • ラストのアレクサンドルⅢ世橋。ディミトリとアーニャの最初にして最後のキスシーンがあまりにも美しくて涙がボロボロ出た。"尊い"って感情がどんなものかを知りたい人間がいたらぜひこのシーンを観て欲しい。

 

観劇中は終始視界に入るものが全て美しくて圧倒されていたのだけど、フィナーレの冒頭に登場した桜木みなとさん、ついさっきまで白髪混じりで丸眼鏡に髭面のヴラドおじさまだったはずなのに、キラッキラのイケメンで登場したので言葉通り息を呑んでしまった。

ジャニーズでも散々早替えは観てきたけども、こんなにガラッと変わることはまずないので圧倒されてしまったよね…しかも最後の最後またヴラドに戻ってるし、何それ凄い…ひと粒で二度美味しい思いをしちゃったワ…。

 

今回のオチ。終演後に映画館でパンフレットを買いに行くもすでに売り切れていたのだが、がっかりする間もなく「家にもう1冊あるから!もらって!」と友人からパンフレットを差し出される。女神なのか…?

さらにはこれも貰って…!と桜木みなとさんのフォトブックとお写真までいただく。お写真は友人のお母様がわざわざ買ってきてくれたそう。全力で宝塚の世界に招き入れてくださって嬉しい、なんて優しい世界なんだ…。

そしてその日、わたしは友人にSexyZoneのシングルNOT FOUNDを3形態セットでプレゼントした。なぜなら友人がジャニーズに興味を持ち始めた、と知って久々に連絡を取ったのが全ての発端だったからだ。