一目惚れから早4ヶ月、遂に宝塚大劇場に立つ桜木みなとさんを拝んで参りました。
今回の座席はマチネが1階A席上手側、ソワレが2階S席サブセン。見え方が違った部分もあったので、その辺りも書いていこうと思う。
以下、あらすじと感想。
※鑑賞が終わるまでネタバレを回避したい方はここでUターンしてください。
あらすじ
https://kageki.hankyu.co.jp/sp/revue/2021/sherlockholmes/info.html
公式HPやプログラムでも語られているように、今作は演出の生田先生による新たなシャーロック・ホームズの物語。
現実に起こった「切り裂きジャック事件」「ヴィクトリア女王の暗殺未遂事件」を軸に、コナン・ドイルが描いた『ボヘミアの醜聞』『最後の事件』の物語を組み込んだ構成。事実は小説よりも奇なりとはまさに、現実と虚構が上手く溶け合っている。
印象的なシーンと感想
シャーロック・ホームズ -The Game Is Afoot!-
- 下手側花道にアイリーン・アドラー(潤花)と海軍大臣こウィリアムズ(寿つかさ)が登場。宝物を見せてよとねだるアイリーンに、これはヴィクトリア女王の心臓だと自慢げに金の筒を取り出すウィリアムズ。
- アイリーンが2つのゴブレットにワインを注ぎ、「私たちの未来に」と乾杯をするも、微笑をたたえたままワインを口にしないアイリーン。上演開始2分で早くもウィリアムズの前にそびえ立つ死亡フラグ…寿組長LOVEの民なので肝が冷える。
- ワインを飲んですぐ、アイリーンとムフフなことをしようとした途端身体に力が入らなくなり椅子にへたり込むウィリアムズ。やっぱり毒入りワインだったー!!?
- 夜も遅いし帰らなくちゃとウィリアムズの手から金の筒を奪い、動かなくなったウィリアムズの頬におやすみなさいとキスをして立ち去るアイリーン。ニヤッと怪しく笑う悪女っぷりが堪らない…。
- この時のアイリーンのお衣装はポスターと同じドレスなのだけど、たっぷりのフリルとコルセットの型がとっても癖に刺さる〜!と思っていたら衣装担当はやっぱり有村先生でした。
- 切り裂きジャック事件で騒然のロンドン。街中では、鎖を見つけては集める浮浪者の姿が。
- その浮浪者が浮浪児たちに指示を出し、「頼んだぞ、イレギュラーズ!」と叫んだところで浮浪者の正体に気付いた。
- イレギュラーズの1人に山吹ひばりちゃんが。チリチリのショートヘアに帽子姿なのだけど可愛さが隠しきれていない。
- 221bのセットが登場。部屋にはワトスン(桜木みなと)とレストレード警部(和希そら)が。レストレード警部は切り裂きジャック事件のことでホームズを訪ねに来るも生憎の不在。
- 気になっていたワトスンのビジュアルは茶髪のオールバック姿で、髭なし。ハンサム!
- 部屋に先ほどの浮浪者が入って来るなりソファへ。水をくれ〜と言いながら服を脱ぎ出す。
- ホームズがいないならと帰ろうとするレストレード警部の前で、マスクを剥ぎ可憐に姿を表すシャーロック・ホームズ(真風涼帆)。
- 切り裂きジャック事件について独自に捜査をしていたホームズは、切り裂きジャックなんて人物は存在しないと話す。一連の事件は1人の犯行に見せかけた組織犯罪だと。
- ホームズが握りしめる鎖を見てワトソンが「それは一体…?」と尋ねると、「奴らの尻尾さ」と答えるなり颯爽と部屋を後にするホームズ。慌てて跡を追いかけるワトスンとレストレード警部。
- このワンシーンだけ丸いハットを被るワトズンくんがとっても可愛いので要チェック。
- 街中にある無数の鎖は、組織内で指示を伝達するための暗号だった。暗号を解読し、切り裂きジャックの5人目のターゲットの救出に向かうホームズ一向。実行犯と思われる4人を捉えるも、拉致されたターゲットが乗せられていた荷台には「The Game Is Up(=計画は失敗した)」の赤い文字が。ホームズは真のターゲットは別に存在すると察する。
- ホームズが銀橋で歌う中、ステージの両端から組子たちが舞台袖まで届く長〜い鎖を静かに引っ張ってくる。初見では何が始まるのかさっぱりわからず、ダブルダッチでも始まるのか…??とトンチンカンな推理をしていたのだが、ただ組子たちが鎖を手に取るだけだった。
- 開演前に『鎖の一環』の歌詞を読んだ時点では激重バラード系を予想していたのだけど、実際の曲調はアナスタシアかな?ってくらい爽やかだった。(歌詞だけ見るとHUNTER×HUNTERのクラピカのキャラソン)
- 政府高官らに紛糾されるモリアーティ教授(芹香斗亜)と兄のモリアーティ大佐(紫藤りゅう)。
- 切り裂きジャック事件は無差別猟奇殺人に見せかけた、政府要人にとって邪魔な存在を消すためにモリアーティ教授が企てた暗殺計画だった。
- ここで真の5人目のターゲットは、物語冒頭でウィリアムズから潜水艦の設計図を盗んだアイリーンだとわかる。
- 高官らの中にウィリアムズもいた(と言うか彼が筆頭になって激怒していた)ので、良かった〜組長生きてた〜と安堵した。
- モリアーティ教授と言えば冷徹で生気のない中年紳士のイメージが強かったのだが、本作ではハイトーンぶりっ子ボイスでトチ狂ったことを語る美男子。ヴィジュアルが仕上がりすぎていてまるで2.5次元。キャラデザはたぶん枢やな先生。
- 前作『ホテルスヴィッツラハウス』では芸術を慈しむ親友を熱愛していたふたりが、今作では悪の兄弟を演じているのも激エモポイント。あと揃いも揃って顔が良すぎる。
- ホームズが嗅ぎ回っている上、ホームズの兄は政府高官だから注意しろと兄が警告すると「そうか、僕たちは似たもの同士なんだね」と恍惚の表情を浮かべるモリアーティ教授。溢れ出すサイコパス感が素晴らしい。
- 場面は再び221bに。退屈だ、退屈だ、退屈だぁ〜と嘆くホームズ。椅子から立ち上がったと思いきや、「頭がぁ〜おかしくなりそうだぁ〜」と言いながら暖炉の上にある手紙の束をペーパーナイフでザクザクと突き刺す。側からみたら一番サイコパスよ。
- 平和なのはいいことじゃないかと呆れ顔で新聞を読むワトスン。切り裂きジャック事件の続報を見つけ読み上げるも、レストレード警部により切り裂きジャック事件は解決に導かれたことになっていた。
- いつか君の伝記を書くんだと、今までホームズが解決した事件を全て日記に付けていることを明かすワトスン(相棒というより熱狂的なヲタクの行動やん…) と、君が書くと感傷的な文章になりかねないなと釘を刺すホームズ。
- 続く「事実を事実のまま書けばいいんだろ」「真実を真実のまま、だ」のやりとりはホームズらしさが出ていて良かった。事実(fact)より真実(truth)を重んじてこそシャーロック・ホームズ。今作の煽りでも「必ず、真実(おまえ)に辿り着くー」ってあるしね。
- この後ワトスンが歌い出すのだけど、歌詞に出てくる哲学と文学の本を1冊ずつホームズに渡す→ホームズがポイっと宙に投げるのが面白い。
- ホームズが剣術とヴァイオリンの名手で女嫌いなことも歌われるが、このあと作中で伏線回収あり。(ヴァイオリンを弾くシーンこそないが、221bのソファの左手にヴァイオリンがある)(後半は客人が座ったりする関係で撤去されるのでここでチェック)
- 退屈で気が狂ったホームズは、拳銃を壁にぶっ放し「VR」の文字をつくる。ちなみにこのVRはヴィクトリア女王のイニシャル(Victoria Regina)で、原作『マスグレーヴ家の儀式』で描かれたワンシーン。一見奇行なんだけど、銃の腕も確かじゃないとこんなことできない。
- この銃撃音で「今度はな〜に〜〜〜!?」と部屋の様子を見に来るハドスン夫人(遥羽らら)。プリプリ怒ってる姿も可愛いよららたゃ///
- 怒ったハドスン夫人が、コート掛けにあるチェック柄の探偵帽をホームズにぶん投げるのだけど、恐らく毎回ちょっと違う(ソワレはかなりエキサイトしてた)
- ハドスン夫人から頼んだわよ!と言われて、え〜僕が面倒見るの〜と言いたげなぐちゃ顔になるワトスン可愛い。ひぃん。
- あ、あとホームズが過去に解決した事件にまつわる人たちも袖から出てきて踊り出すところ、途中ずんそらららが横並びハッピーセットになる。ヲタクにっこにこ。
- ハドスン夫人からロンドン中の新聞の夕刊を渡されるワトスン。両手が塞がってるところに恋人のメアリー・モータンス(天彩峰里)が訪ねて来る。抱き締めようとするも手が塞がっていてへへへと笑い合うふたり、微笑まし過ぎる。
- 夕刊を読むなり目に正気が宿り「ワトスンくん!オペラに行くぞ!」と声を掛けるホームズ。今夜はメアリーと出掛けると行ったろと断ろうとするも、ホームズからは3人で行けばいいと返され、メアリーも乗り気でやれやれなワトスン。
- オペラ座のシーンでは、両方の花道から貴婦人と椅子を持った紳士が登場。笑顔が弾ける花菱りずさんに自然と目が行く。
- ホームズの兄・マイクロフト(凛城きら)も登場。メアリーが家庭教師であること、ワトソンと結婚する予定なのを言い当てられ、キャッキャする2人が無邪気でとっても可愛い。あんたら、いい夫婦になるよ…。
- 純白のドレスを纏ったアイリーンが登場。このドレス、ボリュームたっぷりな袖口でとっても素敵なんです。何より潤花ちゃんには白が似合う!姫〜!!
- ホームズは公演後にアイリーンの楽屋を訪れ、ロンドンで妙なことをするなよと忠告する。
- 化粧台にあった薔薇の花束を手に取るホームズ。(この後のシーンでMと書かれたタグが付いてると明かされるのだが、自席からはタグは見えず)
- 楽屋を去ろうとするホームズに、アイリーンが「私の写真、まだ持ってる?」と聞くのだが、ホームズがアイリーンの写真を持っているのは、原作『ボヘミアの醜聞』の結末から来ていると思われる。
- 『ボヘミアの醜聞』は、ボヘミア王が婚約発表をする前に、過去に関係を持ってしまったアイリーンとのツーショットを奪還すべく、ホームズに依頼をする。最終的にアイリーンはホームズを出し抜いて写真と共に姿を眩まし、代わりにアイリーンだけが写った写真を現場に残していく。女嫌いであるはずのホームズが報酬としてその写真を望んで受け取ったことから、後にホームズとアイリーンの恋を描いたパスティーシュ(模倣作品)が生まれることとなる。
- ホームズが立ち去ると、今度は楽屋の陰からモリアーティ教授が登場。立ち聞きしてたんかーい。
- モリアーティ教授はアイリーンを捉え秘密の場所に連れて行く。そこは使われていない地下鉄を利用した武器工場だった。
- 天才機械技師のファン・ヘルダー(松風輝)は右目に黒い眼帯姿。ソワレで気付いたのだけど、よく見ると眼帯の中心部分はメッシュになっていて右目も見えるようになってた。
- あらゆる暗号の解読ができるフレッド・ポーロック(瑠風輝)は、襟足長めの黒髪に黒縁メガネ姿。ヲタクの性癖にクリティカルヒット、あまりの格好良さにもえこーーー!!!と心の中で絶叫した。
- 「人類最大の罪は何だかわかるかい?支配さ!」とアイリーンに語り出す辺りから、モリアーティ教授の厨二ムーブに拍車がかかり始める。
- 遂には、モリアーティ教授が「新世界の救世主(メシア)になる!」と叫ぶので、19世紀ロンドン生まれではなく平成生まれジャンプ育ちの可能性を疑い始める。(Death Noteがドンピシャ世代の妄言です)
- モリアーティ教授がアイリーンを大学構内の自室に連れて行くと、そこにはホームズがいた。
- アイリーンの楽屋にあった花束のタグに「M」と書かれていたことから、送り主はモリアーティ教授だと睨み潜入調査をしていた。
- アイリーンは隙をついて小型の拳銃を懐から取り出しモリアーティ教授を殺そうとするも、ホームズから銃を取り上げられる。
- 名画をコレクションする理由を語るモリアーティ教授に「グロテスクな考えだ」と返す、ホームズは鋼の心臓か…?モリアーティ教授に宣戦布告し、アイリーンを連れて立ち去るホームズ。
- 場面が外に切り替わると、ホームズが先程まで小脇に抱えていたマントがアイリーンの肩に掛かっていた。ヒロインの肩に自分のコートを掛ける紳士役が似合うトップオブトップ、これぞ真風涼帆。
- ホームズはアイリーンにモリアーティ教授との関係性を尋ねる。彼はパトロンではなく恩人であり、かつての恋人であると発覚。
- モリアーティ教授を殺害しないとわたしが殺されるとホームズに助けを求めるが、犯罪に加担できないと突っぱねられ立ち去るアイリーン。彼女を引き止めようと肩を掴むも、マントだけが手の中に残る演出良かった。
- あと今作のセット、USJのホグズミード村っぽくて観てるとUSJに行きたくなる。
- オペラ座からの帰り道、メアリーはワトソンに出会えたのはホームズさんのお陰、感謝しなくっちゃと話す。死ぬほど嫌そうな顔をするワトソンがお茶目で好き。
- 1人になったアイリーンと遭遇し、アイリーンの様子がおかしいことを察したメアリーは、困ったことがあったら221bを訪ねるように言う。アイリーンがどうしてと尋ねると「重たい荷物を持っていらっしゃるから…抱え切れないときは、人を頼っていいのよ」(ニュアンス)と答えるメアリーと、その横でにこにこなワトスン。あんたら、いい夫婦になるよ…(2回目)
- この後のアイリーンの歌で ♪私は誰?私は誰なの? と歌うと、コーラスで ♪アイリーン・アドラ〜〜〜 って入るのが地味にツボだった。そうだね。
- 潜水艦の設計図を紛失したことがヴィクトリア女王(瀬戸花まり)にバレて召集されるウィリアムズら。モリアーティ教授の前だと威張っているけど、女王の前だとお母さんに怒られた子どものよう。
- ホームズの大ファンであるヴィクトリア女王は、設計図の捜索をホームズに依頼するよう指示する。
- 一方、ロンドン中でさまざまな犯罪が頻繁する中、切り裂きジャックを名乗る人物が殺害予告を新聞社に送ったことで大騒ぎのスコットランドヤード。
- ドスの効いたバカデカ声で話すレストレード、ついこの間までメンヘラ夢二を演じていた人と同じとは思えない。めちゃくちゃ雄々しい。歌声もかなり低くて、ネバクラブで高らかに歌っていたリリィと同じ人とも思えない。ソラカズキの音域の広さは宇宙だ…。
- 渋々ベイカー街に向かうレストレードのプンスコ具合が可愛い。
- 221bにマイクロフトとレストレードが尋ねてくる。消えた潜水艦の設計図、仕留め損ねた5人目のターゲット、モリアーティ教授に命を狙われるアイリーン、ロンドンで頻繁する犯罪、全ての点が繋がり、真実に気付くホームズ。
- そこにハドスン夫人が手紙を渡しに来る。送り主の名はミス・フォークナー。中には「この件から手を引け」と。
- ここからミス・フォークナーの回想に。彼女はホームズの恋人で、ホームズに追い詰められた犯人の銃弾から彼を守って亡くなっていた。手紙の本当の送り主はモリアーティ教授だった。
- 今作では死んだ人間が必ずリフトされるのだけど、天に昇るのを模しているのか、十字架を模しているのか。
- 舞台背景が赤と鎖で染まる。まるで領域展開。モリアーティ一味によるシュールな鎖ダンスがスタート。
- 途中鎖で自分の首を縛る振り付けがあって皆死んだ目をしている中、眼帯のファン・ヘルダーがバッキバキにイッた目をしてるんですよ…まっぷーさんの目の演技が凄い。
- モリアーティ一味に仲間を倒され、追い詰められるホームズ。ハッと目覚めるとそこは221bのソファーで、皆が心配そうに見ていた。鎖ダンスのシーンは、精神的に追い詰められたホームズが見た悪夢だった模様。
- 街中でイレギュラーズに「天国に行きたい」と声を掛けるポーロック。彼はアイリーンとイレギュラーズと共に221bに現れる。実はポーロックはホームズが送り込んだスパイだとここで判明。二作続けて真風さんを支える優秀なスパイもえこ…らぶ…。
- モリアーティらからアイリーンを守りながら、彼らが企む世界戦争の勃発を防ぐべく、罠を仕掛けるホームズ。
- 一方、アイリーンに潜水艦の設計図を渡すように脅すモリアーティ教授。アイリーンはスイスに逃してくれたらそこで設計図を渡すと取引を持ち掛け、ゴールデン・ビジュリーが終わったらスイスに行こうとモリアーティ教授も了承する。
- この時ポーロックがアイリーンを拘束しているんだけど、実際はめちゃくちゃ手加減してるんだろうな…と、もえこポーロックに想いを馳せた。
- そして迎えたゴールデン・ジュビリー。下手花道でスコットランドヤードの配置は完了したかレストレードに確認するホームズ。
- 上手花道からアイリーンを連れて登場したのはイタリア大使に変装するモリアーティ教授。変装がまさかの髭だけでズッコケた。
- モリアーティ教授は、ヴィクトリア女王が王座に付いた瞬間に大聖堂を爆破するとアイリーンに告げ、わざとホームズに伝達させる。
- しかし爆破は起こらない。爆破予告の混乱に乗じてイタリア大使に化けた姿でロシア大使を刺し、世界戦争勃発のきっかけを作ることが真の目的だった。計画を遂行しその場を去るモリアーティ教授。
- しかしホームズは一連の計画を読んでいて、モリアーティ教授を欺くために女王やスコットランドヤードに協力を仰ぎ、偽のゴールデン・ジュビリーを決行。刺されたロシア大使は変装したワトスンだった。
- 刺されたワトソンを守ったのは、変装による着膨れと潜水艦の設計図が入った金の筒。ワトソンに「厚着してて良かったわ」と声を掛ける無邪気なメアリー。
- 潜水艦の設計図を女王に返し、まだやることがあるとその場を走り去るホームズ。その後を追って猛スピードで下手へ駆けて行く着膨れワトソンくん…重いはずなのに動きが身軽過ぎる。
- 場面は変わりスイスの登山道。モリアーティ教授、アイリーン、モリアーティ大佐が仲間の到着を待つも一向に現れない。そこにホームズとワトソンが登場。ゴールデン・ジュビリーの計画は失敗、仲間も武器工場も取り押さえたことをホームズが明かす。
- モリアーティ大佐が銃を抜こうとするも、ポーロックから念のためと渡された銃で撃退するワトソン。威力やば〜〜〜と言いたげなあんぐり顔が可愛い。そしてどこまでも有能なポーロック。
- モリアーティ教授とホームズの決闘が始まる。それぞれ持っていた杖が仕込み杖だからおっかない。
- ここ、2人が剣を交わす中セットが反時計回りに回転しながら迫り上がるのだけど、背景部分の大道具が8時の方向まで来たところで、身体を小さく縮こまらせてセットの間を移動する黒子さん2人の姿が2階席から見えて微笑ましかった。(1階席からだと全く見えない)
- 最終的にホームズがモリアーティ教授を鎖で自分自身と繋ぎ、ライヘンバッハの滝に一緒に落ちていく。鎖はモリアーティ教授の象徴だと思っていたら、最後はホームズまで鎖の使い手になっていた。
- 舞台はロンドンの墓地。下手にシャーロック・ホームズと刻まれた墓石が。
- 泣きじゃくるウィギンズ(優希しおん)を慰めるハドスン夫人から溢れ出る母性ね…。ららたゃは傷ついた背中をそっと包み込んであげるような役が本当に似合う。
- メソメソ泣いているワトソンに、メアリーが「ホームズさんは生きてるわ。私たちの心の中で」と励ますのだけど、実は舞台上手の墓守の1人が変装したホームズ。墓守2人と牧師と何か話してる風なんだけど、何て言ってるんだろ?
- 参列者が墓地を跡にしたところでアイリーンがホームズに声を掛ける。「あんなに泣かせて、酷いじゃない!」「あなたを弔うために黒を着てきたのに!」と責め立てられ、たじたじのホームズ。完全に尻に敷かれている。
- 「いつまでその仮面付けてる気?」とアイリーンがプリプリしながら言うんだけど、早く顔が見たいのに素直じゃないのがまたいじらしい。
- モリアーティの残党を捕らえる旅に出るべく、駅に向かうホームズとアイリーン。
- 2人が客席に背を向けて帽子を被るシーンでは、アイリーンの帽子が浅く安定感のない作りのせいか振り返るタイミングギリギリまで微調整しているのだけど、その仕草がとっても可愛いので見てください。
- ヴィクトリア駅に着いた2人。ホームには目深に帽子を被り駅員に扮したモリアーティ教授の姿が。コートの両襟にMの飾りがあるのはモリアーティ教授仕様?
- そしてホームですれ違い、察したように振り向くホームズ。死ぬまで続く因縁を思わせる、続編があってもおかしくないラストだった。
- 今作、ホームズは浮浪者姿→深緑のスーツ→真っ赤なガウン→黒い燕尾服→式典衣装→ベージュのスーツ→墓守姿→スモーキーブルーの燕尾服と1幕物なのに衣装替えが多かった。
- 一方他のキャラクターはオペラ座とゴールデン・ジュビリーとお墓のシーン以外で衣装替えが殆ど無い。
- 安心してください、デリシューでめちゃくちゃ着替えます。
Delicieux! -甘美なる巴里-
- ピアノの音色とともにミラーボールが動き出し、幕に紫色の光が差す。
- 薄いヴェール様の幕が開くと、パステルパープルの衣装に身を包んだギャルソンが登場。中央にはさっきまでサイコパスを演じていたとは思えない、爽やかな笑顔のキキちゃん。
- 上手花道から登場し、銀橋を移動するラ・フルール(潤花)。かぼちゃパンツが可愛い。
- 下手側にレ・アントルメの4人が登場。チョコレートの精の寿組長、幼女向けウィリー・ウォンカなヴィジュアル。チョコレート風のネズミ型の仮面を持ってるのが可愛い。口紅もチョコレートカラー。
- 舞台中央上からゴンドラでル・ヴォン(真風涼帆)が登場。ヴォンがフルールに甘く囁くと、一瞬で純白のドレスに。ヴォンもパティシエ姿から変身。ステージ上の早替え大好きマンなのでここでテンションが上がる。
- フルーツタルトのシャンシャンを持って階段を降りてくる潤花ちゃんが可愛い〜!
- 続いてキャンディーステッキを持って降りてくるソラカズキとしどりゅー、目力対決でもしとるんか?ってくらいバッキバキに目力が強い。
- ショコラケーキ型の帽子を被って贔屓が降りてきた時はI AM FROM AUSTRIAの冷凍室のシーンを思い出した。もしやあのザッハトルテ??
- この時の桜木さんの弾ける笑顔よ…贔屓目にしたって顔が良い。♪キスした〜 って歌詞のところで投げキッスを飛ばすのだけど、2階席下手寄りサブセンは被弾するので気をつけてください。(わたしはここで1回召された)
- アイスを持って降りてくるキキちゃん。♪きみを愛す(アイス)〜 と艶のある美声で歌い上げるからホゥ…と見惚れてしまうんだけど駄洒落なんよな。小道具のいちごアイスにはいちごポッキーが2本刺さっていた。リアルな作り込み。
- 組子が次々大階段を降りてくるの、脳汁ドバドバ出て一気にテンションが上がる。これがフィナーレじゃなくて開始5分後なの凄い。
- 真風さんと潤花ちゃんが登場したところで、マカロンシャンシャンペンライトを持った組子がわ〜っと出て来るので客席もここでライトのスイッチオン。サビの ♪セ・デリシュ〜 からみんなで一緒に手振り。
- 真風さんの「もう一回行きますよ〜!」という歌のお兄さんのような掛け声(とっても可愛い)でサビをもう一周する。サビ2周目が終わるとペンライトはお役目御免になるのですぐに消しましょう。
- ただ使用時間がまさかの約1分で正直振り足りないジャニヲタ。(結果チケットを増やして解決した)
- この後はカンカンへ。シルバーのトレイにワインボトルを乗せて踊るギャルソン桜木さんも素敵だけど、何と言ってもずんぱながキラッキラの笑顔でクルクル踊る画の多幸感と言ったら!!!あまりの幸福感にマスクの下で歯茎見せて笑ってた。
- 煌びやかな衣装を纏った組子でいっぱいのステージ、見てて元気が出る。大階段が虹色なのも景気が良いのでジャンジャン光らせて欲しい。
- 続いてマリー・アントワネット(芹香斗亜)が大階段から登場。♪イケメンと美味しいスイーツが生きる活力〜 と歌うキキ斗亜ネット、生態がヲタクと一緒で嬉しくなる。
- 女官長の寿組長、ドレスの掴み方が完全に男のそれ。皇后陛下を演じれる方だからわざとなんだなと思って笑顔になった。
- 次々現れるスイーツを模した個性的な美男子たち。個人的なお気に入りはすみれの砂糖漬けなもえこってぃ。ツイステのオクタ寮ごった煮みたいなビジュアル(双子、白髪、パープルメッシュ、銀縁の丸眼鏡、薄紫のお衣装)でした。ヲタクホイホイ。
- あとはソラカズキによるクレープ伯爵。こぶし効かせてバカデカボイスで歌う姿がイキイキしてて良い。キキ斗亜ネットが「召し上がらんわぁ〜〜〜!!!」とちゃぶ台ひっくり返す勢いで突っ込むの好きすぎる。
- もっとゴージャスなのはないの!と言われて出てくる真打フェルゼン(真風涼帆)。完璧なフェルゼンに興奮したキキ斗亜ネットはドレスを脱ぎ捨てダルマになるのだけど、2階席からだと脱ぎ脱ぎしてる姿が露わになってて可愛い。1階席からだと羽で隠されて何だなんだってなるからこれも楽しい。
- 貴族や従者も一緒になって踊るところ、寿女官長の両脇に砂糖漬けの双子がいるのだけど、最初は女官長の勢いにオドオドしてる双子(特にもえこ)が途中から笑顔になってわたしも笑顔になった。
- 続いて問題?のフォレノワール。
- 下手にレザン(桜木みなと)登場。お衣装がけしからん!爪先にスタッズの付いた膝丈の編み上げブーツ、網タイツ、キラキラのホットパンツ、深いVネック。ホットパンツから伸びる程よく引き締まった御御足は女性的なのに、Vネックから覗く胸元は肋骨が浮いていて華奢な男性みたいなんですよ…この絶妙に性別がどちらかわからない感じ本当に堪らん。あと、動く度に揺れるスカーフの隙間から鎖骨が見え隠れしてとってもえっちなので、双眼鏡でロックオンして見てくれよな!
- レザンはフランス語で「レーズン」だそう。やっぱり桜でもみなとでもなく"ずん"で弄られた桜木さん。
- ダンスーズ、黒のボンテージに動物を模した黒い仮面を着けてチェアダンスをしてるんだけど、こちらもとってもけしからんかったし、タカラジェンヌってM字開脚するのか…と宇宙ネコの顔になった。
- ステージ中央のフォレノワールにベラミ(真風涼帆)登場。ちなみにベラミはフランス語で「美しい友人」という意味だそう。
- 四つん這いになってベラミに乗馬鞭で叩かれて恍惚の表情をするレザン。俺たちは一体何を見せられているんだ…?と頭を抱える。
- 真っ赤な玉座に乗ったアメリカンチェリー(潤花)が上座に登場。月組のさくら姫のミュサロ衣装を着用。スーパースレンダーなさくさくが着ると高貴な女騎士って感じだけど、ヘルシーで女性的な肉付きの潤花ちゃんが着るとこの世の男全て狂わす女帝Sって感じだった。みんな違ってみんないい。
- ベラミを奪われて激おこのレザン、アメリカンチェリーにビンタ!男3が娘1にビンタするのは宝塚的にありなん!?とビックリする。
- 最後フォレノワールの上で寝そべるアメリカンチェリーのお胸を鷲掴みにしてるベラミ、お披露目公演で思いっきり破廉恥してるけど大丈夫そ?
- 次のお衣装はゴールド×黒のザ・宝塚なお衣装。舞台照明も明るくなって、雰囲気が180度変わる。
- 銀橋は上手からららたゃと峰里ちゃん、下手から桜木さん、上手からアモーレ!と情熱的に出てくるキキちゃん→下手からハイレグと網タイツでセクシーな潤花ちゃんが次々通るのでとっても楽しい。
- 桜木さん、ゴールド×黒のお衣装との相性抜群じゃありません?アクアヴィーテ然り。男らしさと品の良さのバランスが絶妙。
- というか今作、露出の多いお衣装のオンパレードでは?圧倒的網タイツ率。感謝。
- 舞台中央が迫り上がって真風さんが登場。ライトに当たってキラキラ七色に光るゴールドのお衣装に羽を背負ってるの、豪華絢爛でとっても良い!
- あと組子が金色のポンポンを持って真風涼帆応援団と化してるの最高。熱烈な囲いたち。あのポンポンもグッズで出してくれたら一緒に振るんだけどな〜東宝からグッズ化しませんか?
- ちなみに桜木さんは上手最前列、潤花ちゃんの隣にいた記憶。(袖から一気に組子が出てくるので最初見失った人)
- 真風パティシエ再び。ここまで怒涛の流れだったけど、ここはバラード調でしっとりクールダウン。
- パステルカラーのロングシャツを着た組子たちが出てきて、その後ろで真風さんは白羽で隠され早替え。白のお衣装に。
- ららたゃ、パステルグリーンが似合いすぎる。
- サントノーレを持った潤花ちゃんが上手から登場。ロングポニテがとっても似合う!めちゃくちゃ踊るのにサントノーレが手から落ちないのは何の魔法?
- 潤花ちゃんが持ってるサントノーレ、実はラデュレのサントノレ・ローズ・フランボワーズにそっくりなんです…近々食べに行きたい。
- 赤いサンタ帽を被った娘役が登場。白いワンピース姿でららたゃは赤、他は緑のアクセント。
- 銀橋を渡っていく彼女らがも〜本当に可愛い!のだけど、突然のクリスマス仕様に♪Hello,Hello & Merry Christmas〜 とSexyZoneの『Sexy Summerに雪が降る』が頭の中を駆け巡る。(ちなみにこの曲は夏でも冬でもなく秋発売というトンチキっぷり)
- 話を戻して…この後キャンディーステッキを持った男役も登場。娘役の皆様はサンタ帽からカンカン帽にチェンジ。
- センターのキキららが赤のお衣装でとっても可愛い。このシーンのららたゃがマリリンモンローみたいなブロンドパーマヘアなせいで、ヘルマンとアルマのIfかと錯覚しちゃった。
- この日はソワレでアクシデントが。キキちゃんがステッキを空中でキャッチするところで掴み損ねてしまうのだけど、余裕の笑顔で曲に合わせて舞台際まで歩いて行ってステッキを拾い上げる姿が優美でした…合掌。
- あとはサビで峰里ちゃんのカンカン帽が脱げてしまうのだけど、1度曲に合わせて取ろうとするも尺が足りなくて手が届かず、次のタイミングを見計らってる様子が愛おしかった。
- 続いてオケピからずんそら登場。んしょ、と声が聞こえて来そうなよちよち感がまさにチップとデール。自分は宝塚大劇場にいると思っていたけど、いつの間にか舞浜にいたらしい。
- お揃いのピンクの燕尾服もお似合い!ピンクが似合う美男子に狂わされる人生最高。
- 銀橋で踊る2人が本当〜〜に可愛くて、野口先生ありがとうございますと心の中で一礼した。
- 桜木さんが上手、ソラカズキが下手花道に移動して、ステージに向けて手を差し伸べながらせり下がっていくのだけど、スポットライトが切れてもずーっと目がキラキラしてたの…すごい…目の中に星…。あとお顔が見えなくなっても指先まで1mmも微動だにしないからまるで彫刻。
- 107期生がホールケーキを模したセットに乗って登場するシーンは圧巻。今作、舞台装置をフル稼働して毎回違う登場の仕方をするのでそこも見所。
- ロケットのお衣装、お尻にマカロンを模した大きなファーの尻尾がついててとっても可愛かった!シルエットが完全にディズニー(まだ言う)
- センターにいた横長の大きなお目目の恐らく男役の方、スタイル良し笑顔良しで目を奪われてしまった。お名前わかる方いらっしゃったら教えてください。
- 今度は三色旗ボーイズによるダンスバトル。青はもえこ、白は桜木さん、赤はソラカズキが率いてるの、完全に解釈一致だった。
- あとこれはたぶん真理なのだけど、お衣装はシンプルであればあるほど個人の魅力が光るので、男役のソフトスーツは至高。
- 銀橋中央に、下手からそら、桜木さん、もえこと並ぶ。ずんそらイチャイチャタイムなので目かっぴらいて見てね…。マチネでは指でお互いをツンツンし合いっこ。ソワレでは一緒にお尻をフリフリしたあと、桜木さんが一拍置いてタイミング合わせてお尻をくっつけてたよ〜〜〜可愛すぎて幻覚見たかと思った。
- あと、ソワレで桜木さんがもえこのお腹を手のひらで優しくポンポン叩いていたのだけど、あれは何だったのか。
- トリコロールに色を合わせるならそらもえこの並びが逆になるはずなんだが、どちらにせよ桜木サンドで美味しいですありがとう。
- 続いて大階段にピンクドレスの娘役と、赤のベストに紫のジャケットを着たキキちゃん登場。
- キキちゃんって紫を背負うために生まれてきたのか?と思うくらい明彩度問わず紫色が似合うし、パープルもヴァイオレットも似合うからパーソナルカラーなんてない。
- キキらら峰里で銀橋歩くのも可愛すぎた。今回ららたゃパートが多くて嬉しい。いっぱい目に焼き付けるからね…!
- この後は男役群舞。大階段で足を伸ばしてポーズ決めてる桜木さんを見て、顔ちっさ!脚なっが!と驚く。(n回目)
- 男役同士のデュエットダンスって何であんなに良いのだろう。月組ドリチェのミロンガ然り。娘役デュエットにはないギラッギラの目をするじゃないですか、あれが堪らなく好きなんです…。長い脚を絡め合う姿もいとをかおし。
- そして上手からネイビーのドレスで登場する潤花ちゃん。ドレスの内側はパステルグリーンとパープルが層になっていて、よく見るとネイビーのチュールから色が透けて見えるようになっていた。雪と宙のカラーをどちらも秘めているの素敵。
- そして下手にいるキキちゃんの歌に合わせて新トップがデュエットダンス。♪永遠(とわ)に〜 と言う歌詞は恐らく"斗亜"と掛けて。フィナーレまでネタを入れてくる野口先生のサービス精神よ。
- パレード冒頭は春乃さくらちゃんから。ホテルスヴィッツラハウスの時も思ったけど本当に歌が上手い!澄んだ歌声だし、高音も安定感があって心地良い。
- パレードの時だけで良いからカイリキーみたいに腕が4本になったら、全力で拍手を送りながら双眼鏡で贔屓をロックオンできるのにな…と思いつつ、拍手に全フリしました。楽しいショーをありがとう!
おわりに
実は今回人生初のマチソワだったのだけど、疲れるどころか翌日お肌がツヤッツヤになりました。ビタミン剤にも勝る贔屓。これは積極的に摂取していかなくては。ってなわけで急遽今週末もマチソワしちゃうぞ☆キラッ